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電力、再稼働みえず苦戦 10社中6社が経常赤字

電力会社が業績低迷から抜け出せない。31日に出そろった10社の2013年4~12月期連結決算は、燃料費の増加が響いて6社が経常赤字となった。電気料金引き上げやコスト削減では追いつかず、14年3月期通期でも関西電力九州電力など4社が3期連続の赤字見通し。原子力発電所再稼働の見通しが立たない中、再値上げを模索する動きも浮上している。

「原発停止の中、状況は厳しい」(九州電の瓜生道明社長)。31日の決算会見では、収支改善の見通しが立たない現状を訴える声が相次いだ。

4~12月期では東京電力などが経常黒字に転換した半面、10社合計の経常損益は417億円の赤字(前年同期は8312億円の赤字)と3年連続の赤字だ。採算低迷の主因は急激な円安も重なって膨らんだ液化天然ガス(LNG)など燃料費の増加。東電が4~12月期で過去最高の2兆円強となったのをはじめ、10社合計の燃料費は5.5兆円弱と約3600億円も拡大した。

これに対して各社とも修繕費や人件費などコスト削減を加速。さらに昨年、相次ぎ値上げに踏み切ったが、燃料費の増加分をカバーしきれなかった。14年3月期でも依然5社が赤字を見込む。

採算改善の切り札は原発の再稼働。だが、原子力規制委員会の安全審査が各社の想定よりも遅れている。九州、関西、北海道は期中の原発再稼働がない前提で通期見通しを公表。いずれも1千億円超の大幅な経常赤字見通しだ。利益予想を出さなかった四国電力も「年度内に(原発が)動かなければ赤字は避けられない」(千葉昭社長)。

赤字が資本に食い込み財務の健全性を示す自己資本比率は低下が続く。北海道電力では期末の自己資本比率(単独)が5%を下回りそう。3期連続の赤字となれば、金融機関による融資姿勢が厳しくなり、資金調達に影響が出る。さらに継続して黒字を出すことを前提としている繰り延べ税金資産の取り崩しを迫られる可能性もあり「債務超過転落も現実味を帯びる」(証券アナリスト)。

来期以降も原発の再稼働が進まなければ、一度値上げした電力会社で再値上げを検討する動きも出てきそうだ。東電は修繕費などの繰り延べで今期は570億円の経常黒字になる見通しだが、7月に見込む柏崎刈羽原発の再稼働が遅れれば、15年3月期に再び経常赤字となる可能性がある。電力各社の収益本格回復の道筋は依然、見えない。

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