2018年7月21日(土)

電力8社が最終赤字 4~9月、原発停止でコスト増

2012/10/31付
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 電力会社10社の2012年4~9月期連結決算が31日に出そろった。原子力発電所の停止を受け代替火力の燃料コストが収益を圧迫。原発を保有する9社のうち、北陸電力を除く8社が最終赤字となった。原発比率が高い会社ほど苦戦が目立つ。採算改善に向け、値上げ検討を表明する会社も増えている。

電力10社の12年4~9月期連結業績
通期見通しを開示
(上段は12年4~9月期実績、下段は13年3月期通期見通し)
売上高最終損益原発
比率
東電28759(15)
60250(13)
▲2994(赤字縮小)
▲450(赤字縮小)
28
東北電8443(12)
17900(6)
▲368(赤字縮小)
▲1000(赤字縮小)
26
中部電13361(15)
26400(8)
▲7(赤字縮小)
▲600(赤字縮小)
13
北陸電2495(3)
4850(▲2)
121(3.2倍)
▲70(赤字拡大)
28
沖縄電901(4)
1718(3)
74(34)
47(▲32)
0

通期見通しを非開示
(12年4~9月期実績)
九州電7630(3)▲1495(赤字拡大)39
関電14059(1)▲1167(赤字転落)44
北海道電2770(▲9)▲486(赤字転落)44
四国電2740(▲9)▲150(赤字転落)43
中国電6021(7)▲69(赤字転落)3

(注)単位億円、%、▲はマイナスか赤字。カッコ内は前年同期比増減率。原発比率は11年3月期末時点の電力量に占める比率

 昨年に原発事故関連の損失が膨らんだ東京電力を除く9社の最終赤字の合計額は、3500億円強と前年同期の4倍強に拡大。9社のうち4社が赤字に転落するなど苦境が深まった。

 なかでも11年3月期の電力量に占める原発比率が4割前後と高い九州電力関西電力の最終赤字額は4~9月期として過去最大の赤字となった。9社のうち黒字だったのは低コストの水力発電の比率が高い北陸電だけ。収支の悪化を受け、6社が中間配当を見送った。

 赤字の主因は原発代替の火力発電の燃料費や、他社からの購入電力料が増えたことだ。10社の燃料費と購入電力料の合計額は5兆円弱と前年同期から1兆2000億円あまり増えた。「修繕費や一般経費見直し、賞与や福利厚生の削減を実施しているが、補えない」(東北電力の海輪誠社長)

 13年3月期通期の見通しを開示している5社の全社が最終損益で減益か赤字を見込む。通期見通しを「未定」としている四国電力も原発が再稼働しない場合、「連結経常損益が800億円程度の赤字となる可能性がある」(千葉昭社長)。前期は18億円の経常赤字だ。

 各社はコスト削減による採算改善を急ぐ。東電は31日、13年3月期の営業赤字幅が従来予想の3050億円から2250億円に縮小するとの見通しを発表した。需要の増加に加え、「これまでの発想を変える」(広瀬直己社長)修繕費の圧縮などで補う。北海道電力も240億円の追加コスト削減に取り組む。

 ただし「自助努力だけでは限界。値上げに踏み切る会社は多くなる」(大手証券アナリスト)との指摘は多い。

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