ウイグルで爆発、50人超死傷 中国主席の視察直後

2014/5/1付
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【北京=山田周平】中国の国営新華社によると、中国西部・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市内の駅で30日夜、爆発が起きた。中国紙の新京報(電子版)などによると、50人以上が負傷し、死者も出ている。習近平国家主席は27日から30日までウルムチなど同自治区の各地を視察していた。漢民族支配に反発するウイグル族が視察に合わせ、テロを実行した可能性がある。

新華社によると、爆発は30日午後7時10分(日本時間同8時10分)ごろに発生。駅の出口とバス停の間の地面に置かれた荷物を中心に起きた。地震と勘違いするほどの衝撃があったという。警察当局が一時現場を封鎖したが、午後9時ごろには駅は業務を再開した。

爆発の原因は1日未明時点で明らかになっていない。ただ、同自治区では先住民のウイグル族の間で漢民族が実権を握る共産党の一党支配への不満がくすぶり、暴力事件などが続いてきた。

習主席は27日から少数民族政策を担当する共産党・政府の幹部らを連れ、同自治区の各地を視察。ウイグル族によるとされる暴力事件の鎮圧に当たる公安組織などを回り、30日午前もウルムチで現地の宗教指導者らと座談会を開いていた。

爆発は国営中央テレビが午後7時のニュースで、習主席の自治区視察の動きを20分近い特集で流しているころに起きた。「新疆の社会の安定は全国の改革・発展の安定に関わってくる」と語っていた習主席はメンツをつぶされた形で、衝撃を受けているとみられる。

新華社は1日未明になって、一般市民の目に触れやすい中国語の正式なニュース配信で爆発を報じ始めた。爆発の被害に関するネット上の情報は次々と削除されており、当局は情報の広がりに神経質になっているもようだ。

主に同自治区で暮らすウイグル族はトルコ系遊牧民で、人口は約1100万人。イスラム教を信仰し、羊肉の料理を好むなど漢民族とは文化や習慣が大きく異なる。共産党政権は1949年に軍を進駐させ、55年に同自治区を置いていた。

中国では3月1日、南部・雲南省の昆明駅で29人が死亡し、143人が負傷する無差別殺傷事件が起きた。当局がウイグル族とみられる8人による計画的かつ組織的なテロ事件と断定した経緯がある。

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