ユーロ急落、100円割れ迫る 10年半ぶり水準

2011/12/30付
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外国為替市場でユーロが再び下落基調になってきた。29日のロンドン市場では欧州債務危機に対する不安が改めて強まり、ユーロ売りが加速。対円で一時1ユーロ=100円06銭と2001年6月以来、10年半ぶりの円高・ユーロ安水準を付けた。年明け以降も欧州国債の大量償還や格下げ観測を手掛かりにユーロ売りが続くとの見方が根強い。対ドルに加え対ユーロでの円高が長期化すれば、企業業績を悪化させる懸念がある。

ユーロは28日の海外市場で下落基調となり、29日もユーロ売りが続いた。対ドルでは一時、1年3カ月ぶりの安値である1ユーロ=1.28ドル台まで下落した。

ユーロ売りのきっかけは28日発表された欧州中央銀行(ECB)のバランスシート(貸借対照表)拡大。ECBの資産拡大は金融市場への積極的な資金供給の裏返しであり「ユーロの買い材料とも言える」(国内銀行)。しかし底流に根強いユーロへの不信感があるため、保有する南欧国債などの値下がりでECBの財務が傷む懸念の方を材料視したとみられる。

市場で警戒感のあったイタリア国債の入札は、同国政府が29日午前(日本時間同日夜)、期間3~10年の複数の種類で実施し、ひとまず大きな波乱なく約70億ユーロ(7000億円程度)を調達した。10年債の平均落札利回りは6.98%となり、通貨ユーロ導入後で最高だった11月下旬の7%台半ばから低下した。ただ利回りは財政運営の危険水域である7%付近の高水準がなお続いている。

年明けは欧州債務問題を巡る予定が目白押しだ。フランス国債が格下げ間近との観測が消えず、来年2月と3月にはギリシャやイタリア国債の大量償還を控える。みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは「債務危機への対応策を本当に実現できるのか試される局面に入る」と指摘する。

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