2019年1月20日(日)

多角化遅れた繊維の名門 ユニチカ、金融支援を要請

2014/5/27付
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ユニチカは26日、主力取引銀行に対し金融支援を要請したと発表した。三菱東京UFJ銀行などに対して第三者割当増資を実施し総額375億円を調達する。中国などとの競争激化で財務体質が悪化しており、金融支援で債務超過を回避しながら、主力の繊維事業の縮小を柱とする構造改革を進めるためだ。経営責任を明確にするため、6月末で社長も交代する。

記者会見するユニチカの注連浩行次期社長(左)と安江健治社長(26日午後、大阪市中央区)

記者会見するユニチカの注連浩行次期社長(左)と安江健治社長(26日午後、大阪市中央区)

同社は、1964年の東京五輪で「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレーボール選手を多数輩出した繊維の名門企業だ。

最近は繊維事業の縮小や、それに代わる収益源の育成が遅れたことから業績が低迷していた。祖業である綿紡績は衣料用が中心で中国や韓国からの輸入品との違いを出しにくい。先手を打って綿紡績の工場を縮小した東洋紡に対しユニチカの動きは遅く、財務体質の悪化を招いた。

この日、大阪市内で会見した安江健治社長は「(財務悪化で)スピーディーな構造改革や、稼げる事業への大型投資ができなかった」と話した。同社の今年3月末時点の自己資本比率は6.1%まで低下。製造業で健全とされる20~30%を大きく下回っていた。

低採算・非中核事業の縮小や撤退を進めるため、2015年3月期に440億円の特別損失を計上。これに伴い、約160億円の債務超過に陥るため、7月末に減資をした上で第三者割当増資を実施する。

増資の引受先は三菱東京UFJ、みずほ銀行、三菱UFJ信託銀行の3行と、日本政策投資銀行などが出資する投資ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(東京・千代田)で、総額375億円。このうち金融機関から調達する275億円は全額借入金の返済に充てる。ファンドから調達する100億円は成長に向けた設備投資などに振り向ける。

構造改革の具体策としては、産業繊維事業のうち、不織布などに使うポリエステルの短繊維など汎用品事業を縮小する。同製品を生産する岡崎事業所(愛知県岡崎市)も規模を見直す方針。同事業の対象となる人員は400人だ。

このほかにも採算が低く、中核事業でない部門は縮小、撤退する方針。具体的な中身について、次期社長に就任する注連浩行取締役は「現時点での公表は控えるが、この1年間で構造改革をやり遂げたい」と述べた。

一方で包装用ナイロンフィルムをはじめ世界で高いシェアを握るフィルム事業などは強化する。この日発表した中期経営計画の最終年度である18年3月期の連結売上高は1460億円と、前期(14年3月期)の実績から10%減るが、営業利益は140億円と2.1倍に引き上げる目標だ。

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