契約ルール、中小に配慮 民法改正中間試案

2013/2/26付
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民法の契約ルールの見直しを進めてきた法制審議会の部会は26日、法改正の中間試案を決めた。銀行などが中小企業に融資する場合に求める個人保証について経営者以外は認めないなど、中小企業保護に配慮したのが特徴の一つだ。消費者契約の透明性向上や法定利率の見直しも盛り込んでおり、実現すれば幅広い取引に影響がありそうだ。

■120年ぶり抜本改正

法制審の民法(債権関係)部会は試案で、民法のうち商品の売買など契約の基本ルールを定めた部分(債権法)を中心に、約300項目について方向性を示した。法定利率の変更など、経済の実態に合わせて契約ルールをわかりやすくした。

4月から意見を募り、法制審で最終的に改正要綱をまとめる。法務省は早ければ2015年にも改正法案を国会に提出する方針だ。実現すれば約120年ぶりの抜本改正となる。

試案では、不利な契約になりやすい中小企業への配慮が目立つ。金融機関が中小企業に融資をする際に求める個人保証について、経営者だけに限る方向だ。保証人になった家族らが自己破産などに追い込まれるのを防ぐ。経営者が保証する場合でも、過大な債務は減免することも検討する。

優位な立場にある企業が下請け企業から商品を納入してもらうような場合、代金を受け取る権利(債権)を他の企業などへ譲渡しないよう求める特約を付けることがある。この特約も制限し、下請け企業が債権譲渡で資金を確保しやすくする。「債権譲渡は中小企業にとって需要がある」(日本商工会議所)と改正に期待する声も多い。

■大企業は批判も

企業が多数の相手と契約する際に用意する約款についても定義を設け、不当な条項は無効にする方針だ。契約内容をはっきりさせて取引の安全性を高め、消費者を保護する。約款は企業間取引でも使っており、ルール新設で、立場の強い企業が一方的に有利な内容を押しつけにくくなりそうだ。

大企業からは「自由な経済活動を妨げる面が大きい」との声や「契約書の見直しなど膨大な作業を迫られる」(大手電機メーカー)といった指摘が出ている。個人保証を制限すれば中小企業が融資を受けにくくなるといった懸念もあり、今後の議論次第では内容が変わる余地もある。

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