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白物家電、10年ぶりデジタル逆転へ 12年出荷額

高機能志向強まる メーカー・量販、戦略転換

2012年の国内家電市場でエアコンや冷蔵庫といった白物家電の出荷額がデジタル家電を10年ぶりに逆転する見通しになった。薄型テレビDVDレコーダーなどで急激な価格下落が続く一方、白物家電では消費者の高機能志向が根強い。「理美容家電」など新市場も誕生している。メーカーは白物を稼ぎ頭とする戦略を打ち出し始め、量販店では売り場の見直しが進んでいる。

電子情報技術産業協会(JEITA)が25日に発表したテレビやカーナビゲーションシステムなど民生用電子機器の11月の出荷額は前年同月比36.3%減の1199億円。16カ月連続で前年割れとなった。1~11月までの累計では前年同期比44%減の1兆4345億円。通年では13年ぶりに2兆円割れとなる見通し。

一方、日本電機工業会(JEMA)がまとめた1~11月の白物家電の累計出荷額は同0.8%減の1兆9793億円。1年間を通して白物家電の出荷額がデジタル家電を上回るのはほぼ確実な情勢だ。

テレビは5割安

薄型テレビやDVDレコーダーは2000年前後に登場、アナログ製品からの買い替えで市場が急拡大した。しかし韓国や台湾、中国などで液晶パネルやテレビ事業に参入する新興メーカーが誕生。世界的に価格競争が激化し、その影響が国内販売にも及んでいる。

11年7月の地上デジタル放送への移行も逆転の一因だ。駆け込みで10年の出荷額は約3兆9千億円とAV機器の出荷額が白物を逆転した02年の約2倍に達したが、反動が出ている。調査会社のGfKジャパン(東京・中野)によると12年1~11月のテレビの平均単価は5万3900円。09年よりも53.4%下がった。

 一方、白物は比較的安定している。冷蔵庫は10.7%下落の8万4000円、洗濯機では8.9%下落の5万9900円にとどまる。省エネ性能を高めた新製品が相次ぎ登場し、安定した買い替え需要があるためだ。掃除機や炊飯器では高機能商品が人気を集め、理美容関連分野で新製品が登場していることも約2兆円の市場を下支えする。

営業益の6割に

市場の変化でメーカーの収益構造や戦略は変わりつつある。パナソニックは13年3月期に白物家電の売上高が1兆5400億円となり、AV家電(1兆4100億円)を逆転する見通し。営業利益の6割近くを白物家電で稼ぐ計画だ。薄型テレビの自社生産から撤退した日立製作所の中西宏明社長は「海外でブランド力を高めるけん引役になる」と語り、白物家電に注力する方針を示す。

量販店も変わってきた。ケーズホールディングスでは09年上半期に売上高の26.8%を占めた映像商品の比率が12年上半期は11.5%に低下。白物家電は24.3%から31.2%まで高まった。

各社は売り場作りなどを見直している。ベスト電器は店舗改装に合わせて白物家電の売り場面積を従来より約2割拡張。ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京・千代田)はテレビ売り場の販売員を白物売り場の応援に回している。

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