2019年3月27日(水)

ミツカン、国内縮小に危機感 ユニリーバの事業買収

2014/5/22付
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調味料大手のミツカンホールディングス(HD)は22日、日用品・食品世界大手の英蘭ユニリーバからパスタソース事業を買収すると発表した。取得額は21億5000万ドル(約2180億円)で、ミツカンHDの年間売上高を上回る巨費。経営資源を海外に振り向ける食品メーカーの動きは、人口減少で縮小が避けられない国内食品市場の厳しさを象徴している。

6月をめどに買収するのは、北米を中心に展開するパスタソースの「ラグー」、「ベルトーリ」の2ブランドと、米国にある2工場。ミツカンHDによると約23億ドル(約2330億円)とされる北米の家庭用パスタソース市場で、買収する2ブランドは計33%のシェアを握る。日本国内でも少量だが、通信販売などを通じて輸入販売されているという。

今回の買収を決めたのは、国内にとどまっていては大きな成長が見込めないと判断したためだ。ミツカンHDの14年2月期は、海外売上高が前の期比で66%増と大きく伸びたのに対し、国内事業会社ミツカンの売上高は1076億円と1%の伸びにとどまった。

同日開いた記者会見で創業家出身の中埜和英会長兼最高経営責任者(CEO)は「経営資源を(世界に)分散する」と説明。合従連衡が進む世界の食品市場では「ナンバー1、ナンバー2ブランドでないと生き残りは難しい」(中埜会長)との危機感があり、自社の売上高(14年2月期は1642億円)を大きく上回る買収を決断した。

買収資金は三菱東京UFJ銀行など4行から短期の借り入れで調達。その後、手元資金の一部を返済にあてた上で、長期の借り入れに切り替える。同社は非上場で財務状況を公表していないが、これまで実質的な無借金経営だったとみられる。

ミツカンHDは愛知県半田市に本拠を置く、創業210年の老舗食品メーカー。国内では祖業である酢を中心に「味ぽん」や「追いがつおつゆ」などのブランドで知られ、1997年に本格参入した納豆も国内で高いシェアを誇る。

今回の買収に先立つかたちで、グローバルな経営体制に転換した。今年3月に日本を含むアジア、北米、欧州でそれぞれに統括会社を設置。5月16日には創業家以外から初の社長を起用。新たな経営・組織体制であることを社内外にアピールした。

少子化に直面する食品大手にとって、M&A(合併・買収)で海外市場開拓の「時間を買う」ことは喫緊の課題だ。サントリー食品インターナショナルは英製薬大手グラクソ・スミスクラインから昨年末に約2200億円で飲料事業を買収。日清製粉グループ本社は5月末にも穀物メジャーの米カーギルグループなどから米国の製粉4工場を約221億円で買収、北米での供給能力を高める計画だ。

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