計画停電、関西は1日2回の可能性も 48地域に分割
政府と4電力で詳細決定

政府は22日、電力需給の関係閣僚会議を開き、今夏の計画停電の手順と節電目標の見直しを決めた。北海道、関西、四国、九州の4電力管内で需給が逼迫した場合に計画停電する。1回2時間、1日1回が原則だが、関西は1日2回の可能性もある。7月2日からの節電の目標は大飯原子力発電所3号機がフル稼働すれば緩める。
計画停電の可能性があるのは7月2日から9月7日(北海道は7月23日から9月14日)。平日のみでお盆休みの8月13日から15日も対象外だ。大病院、鉄道、空港、官公庁には電気を流す。原発の周辺地域も安全確保のため停電対象から外す。
火力発電所のトラブルなどで電力会社が他社から融通を受けても供給予備率が3%を下回る見通しになると、政府が「警報」を出し節電を呼びかける。電力会社は翌日の計画停電の詳細を示す。当日の朝9時に政府は警報の続報を出し、なお逼迫が続けばNTTドコモのエリアメールなどで「緊急速報」を発信する。
北海道電力は道内の予備率が1%を下回ると、2時間後に計画停電すると発表する。関電など残り3社は自社管内ではなく中部と西日本の6社全体の予備率が1%を下回れば、計画停電する。
関電は管内を6グループ、計48区域に分ける。停電は原則2時間ごと1グループずつだが、深刻な供給不足になった場合に限り、2グループずつ1日2回となる可能性もある。大都市中心部も停電の範囲に含める。22日に会見した関電の生駒昌夫副社長は「計画停電は万一に備える安全網だ」と強調した。
四国電力は管内を7グループに分ける。四国電力は自社の火力発電所のトラブルなど悪条件が重ならない限り、計画停電の可能性は低いとしている。九州電力は午前8時半~午後9時を6つの時間帯に分割し、管内の60地域を割り当てる。すべての地域が1日1回、停電対象に組み込まれる。北海道電力は道内を60区域に分け、最大10区域ごとに停電する。7月2日に詳細な区域分けをホームページで公開する。
節電目標は大飯原発3号機がフル稼働すれば、関電管内で2010年比15%から10%に緩める。関西への融通を予定していた中部、北陸、中国電力もそれぞれ1~2ポイント、節電目標を緩める。四国と九州は従来通りの節電目標を維持する。
野田佳彦首相は「大飯原発の再稼働には3週間かかる。作業が遅れる可能性も否定できない」と強調し、節電に協力を呼びかけた。
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