2018年6月22日(金)

トヨタ、広州でも工場停止 中国スト
各社調達見直しも

2010/6/22付
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 中国で賃上げを求める従業員のストライキが一向に収まらない。22日にはトヨタ自動車の広州工場(広東省)で操業が停止した。系列の部品メーカーでストが起きたため。現地の多くの企業は賃上げに応じることで操業を再開しており、中国での生産コスト上昇は避けられない。人民元高が進んだ場合も、円換算した中国の人件費は上昇する。中国工場を輸出拠点と位置付けてきた日本企業を中心に、戦略の見直しが進みそうだ。

 操業が止まったのは「カムリ」などを生産しているトヨタの中国合弁会社、広汽豊田汽車(広汽トヨタ)。年産能力はトヨタの中国全体の4割強を占める36万台。

 デンソーの製造拠点「電装広州南沙」(広州市)で21日にストライキが起き、燃料噴射装置などの部品の供給が受けられなくなった。ストは22日も続いており、「操業再開のめどは立っていない」(デンソー広報)という。同工場はホンダやスズキ、マツダにも部品を供給している。

 トヨタは18日に天津市の完成車工場が停止し、21日に稼働を再開したばかり。同社の張富士夫会長は22日、ストが続く中国について「人件費が安いだけでなく、市場が拡大していることを重視している」と指摘。「ラインが止まるのは困るが、すぐに大きく戦略を変える段階でない」と冷静に対応する考えを示した。

 自動車は商品が高額な分、人件費の上昇を吸収しやすい。日用雑貨などを中国で生産し、輸入している企業にとって、賃金上昇は大きな問題だ。

 家具チェーンのニトリは現在扱っている全商品の4~5割程度を中国で生産している。似鳥昭雄社長は「人民元の切り上げにかかわらず、今後中国の人件費は高騰していく。コストの安い国に生産地が変わっていくのは自然なことだ」と話す。

 「社内で生産地の変更を検討している」(ニトリ幹部)としており、徐々に中国生産比率を引き下げていく方針だ。

 一連の賃上げの発端となった台湾系の富士康科技集団(フォックスコン)に、ゲーム機「Wii」などを生産委託している任天堂の岩田聡社長も「中国でコストのメリットが出る時代はいつかは終わる」と指摘。調達戦略の見直しが避けられなくなるとの認識を示す。フォックスコンで従業員の自殺が相次いだのを受け、任天堂は労働環境の調査なども進めている。

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