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中国、大気汚染再び 東北部で「PM2.5」最悪水準

【北京=山田周平】中国の大気汚染が再び深刻になってきた。東北部では大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が上がっており、21日には6段階で最悪レベルの汚染を記録する都市が相次いだ。自動車の排ガス汚染などに加え、気温の低下で石炭を使った暖房が始まったため。深刻な大気汚染に歯止めがかからなければ、来年にかけて西日本にもPM2.5が飛来する恐れがある。

石炭暖房も要因

中国東北部の黒竜江省や吉林省、遼寧省などが21日、PM2.5による深刻な大気汚染に見舞われた。現地メディアによると、黒竜江省ハルビン市の一部では、大気中のPM2.5の濃度が1立方メートル当たり1000マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムを超えた。中国政府が定めた基準値(1日平均で75マイクログラム)を大きく上回っている。

スモッグで10メートル先さえ見えない状況になり、ハルビン市はすべての小中学校を休校とした。市内の高速道路や国際空港も閉鎖された。工場や自動車の排ガスから出されるPM2.5に加え、20日から石炭を使った集中暖房が始まったことが原因とみられる。収穫を終えた農家が稲わらを大量に燃やした影響もある。

中国では今年1~2月にPM2.5が記録的な濃度に上がり、北京市を中心に日本の面積を大きく超える範囲が重度の大気汚染に覆われた。春から夏にかけてはいったん落ち着いたが、東北部で石炭暖房が始まったのをきっかけに再び深刻な大気汚染が発生した。

北京市では、国慶節の大型連休が終盤を迎えた今月6日、市街地のすべての観測地点で「深刻な汚染」が計測された。休暇を終えたUターンラッシュで自動車の排ガスが増えたためとみられる。北京市では11月に入ると石炭を使う暖房が始まり、大気汚染がさらに激しくなる可能性がある。

対策実現に時間

21日の北京市内のPM2.5の濃度は60~100マイクログラムだった。中国政府が定めた1日平均の基準値にほぼ近いが、日本の環境基準値(35マイクログラム)は大幅に上回っている。

中国国務院(政府)は9月に総合的な大気汚染対策を策定。環境性能が悪い自動車を削減したり、暖房の燃料を天然ガスに転換したりする措置を示した。北京市や上海市はPM2.5の濃度を引き下げる計画を具体化しているが、実現には時間がかかるとみられ、今冬の汚染をどこまで抑えられるかは不透明だ。

中国で大気汚染を引き起こすPM2.5は上空に舞い上がり、冬になって偏西風が強まると日本に飛来しやすくなる。大陸に近い九州や中国地方では、12月から国の基準値を上回る地点が出始める可能性がある。1月以降は西日本の広い地域でPM2.5の数値が上昇する恐れがある。

国内ではPM2.5の濃度が国の暫定指針値(1日平均70マイクログラム)を超えると、都道府県が住民に外出自粛などを呼びかける。環境省の集計によると、今年3~5月に暫定指針値を超えた日は西日本を中心に合計で7日に達した。

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