2019年9月20日(金)

衝突事件、今後の展開は(Q&A)

2010/9/22付
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Q 公務執行妨害の容疑で逮捕・送検された中国人船長の扱いは今後、どうなるのか。

A 船長の拘置期限は29日。公務執行妨害罪は「3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金」にあたり、非公開による書面審理だけで刑を言い渡す略式起訴の対象になる。同日までにこの処分になれば、船長は罰金を払い、釈放される公算が大きい。

ただ、捜査関係者によると船長が拘置されている沖縄県警八重山署には連日、中国政府の関係者が訪れ、船長と面会。船長は容疑を否認している。那覇地検石垣支部が正式に起訴すれば、事件は公開の法廷で審理され、長期化も予想される。

Q 今回、漁業関連法規での摘発はされていないが。

A 海保は事件直前に中国漁船の日本領海内での不法操業を確認。漁船が底引き網を沈める様子をビデオ撮影しており、領海内での漁獲の準備行為を禁じる外国人漁業規制法違反容疑での立件も可能だった。ただ巡視船への衝突行為をより悪質と見て公務執行妨害容疑による逮捕を選択した。今後、外国人漁業規制法違反での船長の追送検もあり得る。

Q 海保が衝突時の様子を撮影したビデオを公開していない理由は。

A 故意の衝突を裏付ける重要な物証であり、捜査中の公開は困難だ。双方の証言が食い違うなか、刑事事件で容疑者しか知り得ない、いわゆる「秘密の暴露」にかかわる証拠でもある。

Q 当局が捜査を徹底する背景は。

A 巡視船の停船命令に漁船が応じず、衝突までした悪質な例としており、見過ごせば同様の事件を防ぐのが難しくなる。

2004年3月に発生した中国人活動家7人の尖閣諸島への不法上陸事件では、入管難民法違反(不法入国)の疑いで逮捕したが、容疑を認めない7人の送検を見送り、事件発生から2日で強制送還した。この時は既にギクシャクしていた対中関係への配慮もあったとされる。

事件の教訓から海保は周辺海域の監視体制を「常時2隻以上」に強化してきたが、その後も日本の領海内への中国漁船などの侵入が相次いでいた。

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