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スズキの経営に打撃 インド工場、暴動で停止続く

「暴力行為に厳しく対処」鈴木会長

(更新)
大規模な暴動が発生し、煙の上がったスズキのインド子会社の工場(18日夜)

大規模な暴動が発生し、煙の上がったスズキのインド子会社の工場(18日夜)

スズキのインド子会社、マルチ・スズキのマネサール工場(ハリヤナ州)で18日夜、従業員による暴動が発生した。工場幹部1人が死亡、約90人が負傷した。暴動発生以降、生産は止まっている。マルチはスズキの連結経常利益の3割弱を稼ぐ海外で最大の収益源。マルチで昨年から相次ぐ労働問題はスズキの経営に影響を与えかねない。

マネサール工場はニューデリーの南西約50キロメートルに位置する。工場内で労使が従業員の勤務態度を巡って話し合っていたところ約100人の従業員が暴徒化。事務所から火災が発生し、インド人の人事部長が死亡、日本人幹部2人も負傷した。

スズキのインド事業と労働問題
1982年インド政府と四輪車合弁生産で正式調印
2000年マルチで数カ月に及ぶ大規模ストライキが発生
02年マルチを子会社化
06年マネサール工場が稼働
11年
6月
マネサール工場でスト。月内に収束
8月マネサール工場で一部従業員の怠業に対し、会社側がロックアウト
10月マネサール工場でスト再燃。月末に収束
12年
6月
インド西部グジャラート州の大規模工場用地取得を決定
7月マネサール工場で暴動が発生

暴動の影響で19日のスズキの株価は下落。終値は前日比57円(4%)安の1451円と約3年半ぶりの安値水準になった。クレディ・スイス証券の高橋一生アナリストは「操業停止による損失は1日当たり2億~3億円になりそうだ」という。

スズキはインド自動車市場のトップメーカー。同国政府と組み1983年に現地生産を始めた。年300万台弱の世界生産台数のうちインドが3分の1以上を占め、比率は高まる傾向にある。新興国開拓を急ぐ自動車各社の中でしばしば「先駆者」と評される。

その経営を支えるインド事業で労働問題が大きな課題となっている。暴動が起きたマネサール工場では昨年6月から10月まで断続的にストライキが発生し、合計8万5千台の減産を強いられた。そのあおりで2011年度の新車販売(輸出を含む)は10年度比11%減の113万台にとどまった。マルチの12年3月期の連結税引き前利益は約214億ルピー(約343億円)。前の期に比べ3割減っている。

暴動について現地では昨年の労働争議との関連を指摘する声がある。経済成長とともにインド国民の間では「左派離れ」が進んでいる。危機感を強める同勢力がインドで自動車最大手のスズキの労組に活動家を送り込むなどして騒動を拡大し、「存在感」を示しているという。スズキは「計画的か偶発的かを調査する」としている。

スズキの鈴木修会長兼社長は19日夜、「暴力行為に対しては厳しく対処する。暴動の原因はまだ明らかではないが徹底的に追及する」とコメント。少なくとも20日まではマネサール工場を休業する。労使問題をどう克服していくのか。スズキだけでなく新興市場開拓を急ぐ日本企業共通の課題ともいえそうだ。

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