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タイ混乱拡大、金融機能マヒ 証取や銀行焼き打ち

伊勢丹も被害か、地方にも飛び火

【バンコク=野沢康二】タイの治安部隊は19日、首都バンコク中心部を占拠する反政府デモ隊の強制排除に着手し、大半の地区を制圧した。デモ隊を率いるタクシン元首相支持派団体「反独裁民主統一戦線」(UDD)の幹部が投降したが、デモ隊の一部は抵抗を続け、タイ証券取引所(SET)ビルや銀行などで焼き打ちが起きた。同日だけで少なくとも4人が死亡、40人が負傷した。2カ月続く首都の混乱は地方都市にも及び、金融機能も傷つく非常事態に発展した。

国軍や警察で構成する治安部隊は午前6時(日本時間同8時)前、1万5000人を投じて強制排除を始めた。デモ隊が占拠する地域の南端にあるビジネス街シーロム地区から装甲車などで突入。デモ隊の攻撃で兵士ら7人が重軽傷を負ったが、占拠地の南側に広がるルンピニ公園を制圧し、午後に投降したUDD幹部7人を拘束した。

ただ納得しないデモ隊の一部は占拠地の中心で最大の商業地区ラチャプラソン交差点周辺で商業施設や映画館に火を放つなど徹底抗戦の構えをみせた。多数の重火器を備えているともされ、全面的な鎮圧に長時間を要する可能性もある。

日本のデパート伊勢丹などがあるバンコク繁華街から立ち上る炎と黒煙(19日午後)=共同

UDD支持者は同日午後、封鎖地区の東にあるSETビルや銀行支店、送配電設備にも放火。大型スーパーマーケット2カ所に押し入って商品を強奪するなど暴徒化している。北側ではデモ参加者が「UDDからの独立」を宣言し、周辺の政府関連施設や商店などで火の手が上がっている。

政府は同日、バンコク全域を対象に夜間外出禁止令を発令した。住民は午後8時から午前6時まで許可なく外出することを禁じられる。

同日は午後0時半まで取引したSETは20日の取引停止を決めた。タイ中央銀行は全金融機関に対し、バンコク市内の全本支店で19日午後1時から週末まで営業を停止するよう指示。首都バンコクでは高架鉄道など交通インフラの機能停止が続いたのに加え、金融分野もマヒ状態に陥った。

UDDはアピシット首相の退陣と即時総選挙を求め、3月からバンコク中心部を占拠してきた。政府は自らの和解案をUDDが拒んだため、今月13日から占拠地を封鎖。17日午後までに女性らに退去を呼び掛けるなど強制排除への準備を進めた。医療当局によると13日の封鎖開始以降、19日午後3時までに確認された死者数は42人、負傷者は357人に上っている。

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