2019年2月18日(月)

プジョー、中国・東風汽車からの資本受け入れ決定

2014/2/19付
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【パリ=竹内康雄】フランスの自動車大手、プジョーシトロエングループ(PSA)は18日、中国・東風汽車からの資本受け入れを決めた。近く30億ユーロ(約4200億円)規模を増資し、その一部を東風と仏政府が引き受ける。主力の欧州市場で苦戦が続くなか、創業200年超の「名門」は資本増強と新興国開拓で再建を目指す。

PSAは18日の監査役会で増資を承認した。複数の欧州メディアが伝えた。東風と仏政府がそれぞれ8億ユーロの株式を引き受け、14%程度を保有する。株式の25.4%を握るプジョー創業家の保有比率は、東風や仏政府とほぼ同水準になる。

これと並んで経営トップも入れ替え、最高経営責任者(CEO)には元ルノー最高執行責任者(COO)のカルロス・タバレス氏が就任する。

PSAは欧州でこそ2位の自動車メーカーだが、海外展開の遅れもあって欧州債務危機の直撃を受けた。2013年の新車販売台数は約282万台と、ピーク時の10年から2割以上も減った。経営悪化で1万人以上の人員削減を余儀なくされており、東風との資本提携をきっかけに収益拡大が見込める新興国市場の開拓を急ぐ。

ただ、主要株主に東風と仏政府、創業家が並ぶ「トロイカ新体制」には不安が消えない。

「痛みを伴うリストラは終わった。生産能力は拡大される」。モントブール仏産業再生相は18日にこう強調した。社会党政権が増資に応じるのは仏国内の雇用を維持するため。あえて東風の出資比率を14%程度に抑え、経営への発言力を確保するとみられる。

ところがPSAが経営不振に陥った一因は欧州での販売比率の高さ。人件費が高く、大きな需要が見込めない欧州市場から新興国にシフトするのが経営再建の柱なのだが、仏政府の介入で欧州の生産体制を見直せなくなる懸念がくすぶる。

ブランド狙う

プジョー創業家の動きは読みにくい。創業家は今回の増資で議決権が多い特別株式を保有する権利や監査役会議長のポストを失う。仏政府と組んで、これまで通りに大きな経営方針には口を挟んでくる可能性がある。

そして東風。朱福寿総経理はPSAへの出資について「ブランドやイメージの向上、環境技術が狙い」と話す。

東風は13年に約350万台を販売して中国自動車メーカーで2位になったが、販売先は中国市場が大半で、海外には有力な足場がない。生産する車種も日産自動車やホンダといった外資との合弁生産車が大半で、自社ブランドはわずか。小型車に強みを持つPSAとの関係強化で、業容を拡大できると踏んだ。

「同床異夢」とも映るPSAの資本提携。経営再建への道筋は整ったが、主要株主の主導権争いが激しくなるというリスクを同時に抱えた。

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