日航、整理解雇は最大250人 パイロットなど対象 - 日本経済新聞
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日航、整理解雇は最大250人 パイロットなど対象

12月以降に実施

会社更生手続き中の日本航空は15日、パイロットと客室乗務員ら最大約250人を対象に、雇用契約を一方的に解消する整理解雇を実施すると発表した。希望退職の最終募集が目標に達しなかったためで12月以降に実施する。人員削減に向けた強い姿勢を示すことで、金融機関から融資再開を取り付けるなど、再建を前進させたい考え。

整理解雇の対象者はパイロットが約110人、客室乗務員が約90人。さらに両職種の休職者計50人も対象に加えた。

日航と管財人の企業再生支援機構は、東京地裁に提出した更生計画案に、関連会社を含むグループで約1万6000人を2010年度中に削減することを盛り込んだ。うち日航本体では約1500人を目標に、9月から希望退職を募集。地上職や整備職は目標に達したが、パイロットと客室乗務員は未達となった。

労組の反発を覚悟で整理解雇に踏み切ったのは、更生計画案で掲げたリストラの徹底に加え、約3200億円の更生債権を一括弁済するための融資について、金融機関の同意を得る必要があったからだ。

 パイロットの労組からはワークシェアリング(仕事の分かち合い)導入の提案もあった。だが公的資金である支援機構からの出資を受けながら人員削減目標が未達では「世間の理解が得られない」(日航幹部)との判断が大勢を占めた。

稲盛和夫会長は「いろいろな可能性を探って最善を尽くすべきだ」と繰り返し、慎重に対応するよう指示。これを受け、日航は退職勧奨を今後も継続し、応じる社員は希望退職扱いとすることも併せて決めた。希望退職制度を11月まで残すことで、最終的な解雇の人数をできるだけ圧縮したいとしている。

日航は15、16日に6つある労組と労使協議を開催、理解を求める考えだ。今後は対象者の人選基準を策定するとともに、指名や退職の時期を詰めることになる。ただ、休職者や長期欠勤者を含めた9月以降の希望退職と今回の整理解雇の対象者を合わせると、全職種では目標の1500人を300~400人上回る。

パイロットや整備員などでつくる航空労組連絡会の近村一也議長(日本航空乗員組合出身)は15日、都内で記者会見した。自らも整理解雇の対象になった近村氏は「労組側の調査では希望退職の人員削減目標は既にクリアしている。整理解雇は必要ない」などと強く反発した。今後、ストライキや整理解雇の無効を求める訴訟に発展する可能性もある。

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