コンビニ膨張 他業種を侵食、大手は営業最高益
店舗飽和で消耗戦も

2013/4/10付
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セブン―イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手3社の2013年2月期決算が10日出そろった。好採算の自主企画商品が伸び、3社とも営業利益が過去最高を更新。今期も軒並み最高益を見込む。扱い品目を生鮮食品や総菜、いれたてのコーヒーなどに拡大、他業種から顧客を奪う形で「コンビニ経済圏」が膨張している。ただ業界内の競争も激化、消耗戦も始まりつつある。

同日に決算発表したローソンは前期の営業利益が662億円と前の期比7%増えた。今期は6%増の700億円と過去最高を見込む。専門店の味を再現したプリンや総菜など独自に開発した商品を拡充し、女性やシニア層などを取り込む。記者会見した新浪剛史社長は「コンビニはアメーバのように機能を拡張し、成長してきた。スーパーや専門店などの需要を一層取り込める」と語った。

最大手のセブンイレブンや、ファミリーマートも今期の営業利益は5~10%増える見通しだ。

コンビニ業界ではかつてのおにぎりや弁当中心から、生鮮食品や総菜などの強化に動いている。駅近くや住宅地といった立地の良さを生かし、食品スーパーや専門店などの顧客を奪う動きが一段と拡大している。

とりわけ最近、各社が力を入れているのが「いれたてのコーヒー」だ。3社は今期、そろって店舗にコーヒーメーカーを全面導入。カフェなどに通う顧客を呼び込む構えだ。調剤薬局を併設する店も増加傾向。ドラッグストア大手の幹部は「高齢化で消費者の行動範囲が狭くなるなか、コンビニのインフラは有利で手ごわい」と警戒する。

日本フランチャイズチェーン協会によると、全国の12年のコンビニ売上高は前年比4%増の9兆円。数年以内に10兆円に到達しそうだ。膨張する「コンビニ経済圏」に対し、既存の小売業や外食産業などは、品ぞろえやサービス面などで対応を迫られている。イタリア料理チェーン、サイゼリヤの堀埜一成社長は「コンビニがマネできない品質の商品を開発、提供する」と話す。

ただ、全体では業績が好調なコンビニも、前期に既存店売上高が伸びたのはセブンイレブンだけ。新規出店で補っている面もある。ファミマは今期、1500店とセブンと同数の新規出店を予定する。ファミマの中山勇社長は「つぶし合いが始まる」と警戒する。

国内のコンビニ店舗数はかつて飽和水準とされた5万店をすでに突破しており、陣取り合戦も一段と激しくなっている。一部では高い賃料を払ってでも良い物件を押さえる動きもあり、消耗戦も始まっている。こうした中でローソンは新規出店を抑制し、既存店の強化に力を入れる構えだ。

市場関係者の間では、「競争激化で新店投資が膨らみ、収益を圧迫する可能性がある」(大和証券の津田和徳チーフアナリスト)との声もある。10日の東京株式市場ではこうした見方からファミマ株が8%安、ローソン株が3%安となった。

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