2019年1月20日(日)

釣りゲーム、グリー逆転敗訴 DeNAの侵害認めず
知財高裁判決

2012/8/8 21:36
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グリーの「釣り★スタ」の画面(左、同社提供)とDeNAの「釣りゲータウン2」の画面(同社提供)=いずれも共同

グリーの「釣り★スタ」の画面(左、同社提供)とDeNAの「釣りゲータウン2」の画面(同社提供)=いずれも共同

携帯電話向け釣りゲームを巡って、ゲームサイト運営のグリーが同業のディー・エヌ・エー(DeNA)を訴えた裁判で、知的財産高裁は8日、著作権侵害を認めた一審判決を取り消し、グリーの請求を棄却する逆転判決を言い渡した。知財高裁は両社ゲームの共通部分について「ありふれた表現にすぎない」と判断した。グリー側は同日、上告した。

問題となったのは、DeNAが2009年にモバゲーで配信を始めた「釣りゲータウン2」。グリーが07年配信の同社の「釣り★スタ」に似ているとしてDeNAなど2社に配信差し止めと損害賠償を求めて提訴していた。

判決理由で高部真規子裁判長は、グリー作品の表現上の本質的な特徴が、DeNA作品から直接感じられる場合に著作権侵害に当たると指摘。両社のゲームを比較検討した。

魚を引き寄せる場面について(1)水中だけ真横から描かれている(2)画面のほぼ中央に三重の同心円がある(3)黒い魚影や釣り糸が描かれている――など両作品には共通部分はあるが「表現上の創作性がない」と指摘。その上で「具体的な表現は異なり、全体から受ける印象も異なる」として著作権侵害には当たらないと結論づけた。

グリーとDeNAの訴訟を巡る主な流れ
2007年5月グリー、「釣り★スタ」配信開始
09年2月DeNA、「釣りゲータウン2」配信開始
9月グリー、DeNAなどを相手に「釣りゲータウン2」の著作権侵害訴訟を東京地裁に提起
11年11月グリー、DeNAに対し取引妨害を理由に東京地裁に訴訟を提起
12年1月DeNA、グリーに対し損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に提起
2月DeNAなど2社に配信差し止めなど求める東京地裁判決
8月一審・東京地裁判決を取り消す知財高裁判決

ゲームの操作手順なども共通しているが、「実際の釣り人の一連の行動に沿って構成したもので、ありふれた表現にすぎない」と判断した。

今年2月の一審・東京地裁判決は「携帯向け釣りゲームは多数あったのに、水中に同心円を置き、魚の位置で釣り糸を巻くタイミングを表現したゲームはなかった」として著作権侵害を認定、DeNAなどに2億3千万円の支払いを命じた。控訴審でDeNA側は「共通部分はありふれた表現で、創作的表現とは言えない」などと反論していた。

著作権法に詳しい升本喜郎弁護士は「携帯向けゲーム画面はそもそも単純なので、ありふれた表現かどうかなどの点について説得力ある判断をすることは難しいが、先行者利益を害することは業界の発展の妨げにもなりかねないことも考慮すべき」としている。

グリーの話 到底承服できない判決で、最高裁の判断を仰ぐ予定だ。

DeNAの話 当社らの正当性が証明されたものと考える。

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