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ワタミの前期、上場来初の最終赤字

従来型の居酒屋苦戦

居酒屋チェーンを運営するワタミは2日、2014年3月期の最終的なもうけを示す連結最終損益が49億円の赤字(前の期は35億円の黒字)になったと発表した。従来予想は12億円の黒字で、1996年の上場以来、初の最終赤字転落となる。外食産業は全体では総じて堅調だが、消費者は専門の料理を出す店に流れ、特色に欠ける従来型の居酒屋は苦戦。業態で明暗も分かれつつある。

ワタミでは主力の外食事業の既存店売上高が前の期比で7%減と、10年ぶりの落ち込みを記録。本業のもうけを示す営業利益は68%減の29億円と、従来予想を20億円下回った。宅配や介護事業も振るわなかった。

労務環境を改善し慢性的な人手不足を解決する目的もあり、居酒屋チェーン「和民」と「わたみん家」の不採算店を中心に、今期は同社の居酒屋の1割にあたる60店を閉店。これに伴う減損損失など特別損失26億円を計上するほか、将来利益を上げる前提で計上していた「繰り延べ税金資産」も22億円取り崩し、大幅な損益悪化要因となる。

外食業界全体では、景況感の改善に伴う「プチぜいたく」の需要が追い風となり、単価が比較的高い商品を扱うファミリーレストランや回転ずしなどは好調だ。これに対し、低価格だが画一的なメニューが並ぶチェーン居酒屋では客離れが起きている。若者のアルコール離れもあり、外食産業総合調査研究センターによると12年の居酒屋・ビアホールの売上高は00年に比べて23%減った。

ワタミでも米国風レストラン「TGIフライデーズ」、炭火焼き店「炭旬」などは伸びているのに対し、店舗の約9割を占める「和民」「わたみん家」は苦戦。既存店売上高は3月まで24カ月連続で前年を下回った。

ワタミでは居酒屋事業をテコ入れするため「わたみん家」でブランド鶏といった高級食材を使うなど全メニューを刷新。客単価が同社で過去最高の炉端焼き店を3月に銀座に開業するなど新たな需要の取り込みを急ぐ。

居酒屋大手幹部は「会社の同僚などと飲む機会が減る一方、多少高くても気の合う仲間と飲食する志向が強まっている」と指摘する。居酒屋「甘太郎」などを運営するコロワイドでも13年度の既存店売上高は前年度比で3%減少、「はなの舞」などを運営するチムニーも同4%減となるなど大手チェーンは総じて苦戦気味だ。消費動向の変化に応じた新業態づくりが急務となっている。

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