米国株、ダウ続落105ドル安 1万5000ドル割れで2カ月ぶり安値
【NQNニューヨーク=増永裕樹】21日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は6日続落した。終値は前日比105ドル44セント(0.7%)安の1万4897ドル55セントと、6月25日以来、約2カ月ぶりの安値をつけた。心理的な節目の1万5000ドルを割り込むのは7月3日以来、1カ月半ぶり。小売業の一角が低調な四半期決算を発表し、投資家心理が悪化。米国の量的金融緩和が早期に縮小するとの見方も重荷になった。
ディスカウントストア大手のターゲットが21日発表した2013年5~7月期決算で、純利益は前年同期比13%減少した。事務用品販売のステープルズの決算も低調だったため、米経済のけん引役である個人消費の勢いが鈍いとの見方が浮上。運用リスクを回避する動きにつながった。
米連邦準備理事会(FRB)が午後に7月30~31日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を発表すると、相場は荒っぽい展開になった。緩和縮小時期について意見の相違が目立つ内容となり、市場ではFRBの次の一手を巡って思惑が交錯。下げ幅を一時120ドル超まで拡大した後、上昇に転じる場面もあった。
朝方発表の7月の米中古住宅販売件数は大幅に増加した。市場予想を上回ったが、相場の反応は限られた。
ハイテク関連の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日比13.80ポイント(0.4%)安の3599.79で終えた。
業種別S&P500種株価指数は、全10業種が下落した。「電気通信サービス」や「公益事業」の値下がりが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億6000万株(速報値)。ナスダック市場は約14億株(同)だった。
ターゲットが下げ、ステープルズが大幅安。非鉄のアルコアやIT(情報技術)のヒューレット・パッカード(HP)、半導体のインテルが売りに押された。
一方、小売世界最大手のウォルマート・ストアーズが上昇。大手銀のバンク・オブ・アメリカが上げた。増益決算を発表したホームセンターのロウズの値上がりが目立った。