NY株、大幅続伸で始まる 相次ぐ大型M&Aを好感
上げ幅一時150ドル超
【NQNニューヨーク=古江敦子】15日の米株式相場は大幅に3日続伸して始まった。ダウ工業株30種平均は午前9時35分現在、前週末比117ドル12セント高の1万1386ドル14セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同21.37ポイント高の2529.35で推移している。大型M&A(合併・買収)の発表が相次ぎ、株式市場への資金流入期待から買いが先行している。ダウ平均の上昇幅はその後一時150ドルを超えた。
ネット検索最大手のグーグルが15日朝方、米通信機器大手のモトローラ・モビリティー・ホールディングスを125億ドルで買収すると発表した。モトローラは約57%高と急伸。一方、グーグルは買収による財務負担が懸念され1%前後下げている。モトローラと同業のノキア(フィンランド)とリサーチ・イン・モーション(カナダ)もつれ高している。
海洋油田掘削大手の米トランスオーシャンはノルウェーの同業に買収提案したと発表し、買いが先行。カナダのクレジットカード事業を売却すると発表した米銀大手バンク・オブ・アメリカも堅調に推移している。
アナリストによる投資判断引き上げが伝わったIBMが上昇している。朝方発表した四半期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回ったホームセンターのロウズが小幅高となっている。
一方、CATV大手のタイムワーナー・ケーブルが下げている。同社は同業のインサイト・コミュニケーションズを30億ドルで買収すると発表した。米化粧品大手のエスティ・ローダーが大幅安。この日発表した四半期決算は市場予想を上回った。
朝方発表の8月のニューヨーク連銀景気指数は前月からマイナス幅が拡大し、市場予想を下回った。ただ、市場の反応は現段階では限られている。