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「物流」は、世の中をよくできるか。

 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートさせました。今回のシリーズのテーマは「革新力」です。日本経済新聞の紙面と電子版を通じて経営者と読者が双方向で対話し、アイデアの実現可能性を探ります。企業のモノ作りは、サービスは、金融は世の中をよくできるのか。革新的なアイデアをお寄せください。

ライフスタイルを豊かにする物流とは? 読者の提案 山内雅喜・ヤマトホールディングス社長編

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2016/4/25 3:30
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■「産業活動の血管」が心臓を救う

佐藤 奈緒(青山学院大学法学部3年、20歳)

どくり、と耳に残る嫌な音。倒れこむ身体。遠のく意識――。あぁ、どうか近くに自動体外式除細動器(AED)がありますように。最後に願うことがこんなことになるなんて……。

応急救護の授業でAEDは救急車が到着するまでの間、患者を守る命綱だということを知った。しかし日本で突然の心停止による死亡者は毎年数万人以上いるのに、AEDの普及率はまだまだ少ないのが現状だ。そこで昨今のインターネット通販などにより需要が高まり、昼夜を問わず道路を走行している運送車の車内にAEDを設置し、有事の際に呼び止めることで救える命も多いのではないかと考えた。顧客が急増し、実績を上げている物流業界。そのなかでこのような企業の社会的責任(CSR)を果たしていくことがステークホルダーの信頼を獲得し、長期的に発展していくことへのカギとなるのではないか。

■物を運ばない物流

米倉 ときお(会社員、55歳)

3Dプリンターが現在手ごろな値段になっている。これとスキャン装置を宅急便ステーションに設置する。訪れた人が持ち込んだものを立体的にスキャンし、そのデータを、同じように3Dプリンターを設置した別のステーションに送信する。データを受け取ったステーションでは持ち込まれた品物と同じものを3Dプリンターで作成すれば「物を運ばない物流」が可能となる。

例えば企業が試作品を作製して委託元に送ったり、あるいはお菓子の試作品を販売業者に送ったり、個人がハンドメードのお菓子を知人に送ったり、といった利用が考えられる。宅急便業者としては「物を運ばない物流」で効率性と迅速性を高めると共に、将来は個人間で「物を運ばない物流」を行う時に使う装置の販売やレンタル、保守サービスなどで収入を得られる。同時に「個人の送りたいもの」を把握し、メーカーと新しい3Dプリンターを開発して、その販売やレンタルに乗り出すこともできるだろう。

■「思い出宅急便」

佐藤 翔太(海陽学園海陽中等教育学校高校1年、15歳)

私は「思い出宅急便」というサービスを提案する。これは自分が指定した未来に品物や思いを届けるというサービスだ。例えば30年後に仲間と集まった際に思い出の品を見たいときや、学者が100年後の人々に自分の考えを伝えたいときに利用する。このサービスは未来の自分に過去のことを思い出させたいときにも活用できると思う。最近では昨日のことが思い出せないくらい次から次へと新しいものが開発されている。物事が発展していくことは悪いことではないと思うが、過去のことを未来につなげることも大事だ。自分が行き詰まったときに過去に戻ることは自分を見つめ直す良い機会だ。そんな考えから生まれたのがこの「思い出宅急便」だ。自分を見つめ直すことも人々の暮らしを幸せにする物流の一つの機能ではないだろうか。

■物流×レシピサイト

寺井 奈都子(主婦、29歳)

家事を担う主婦(主夫)にとって日々の大仕事の一つが毎日の献立を考えることだ。家族の健康を考えてバランス良く、同時にお財布にも優しく、となるとレシピブログや折り込みチラシを見比べつつ献立を考え、店を回ることになる。レシピサイトのなかには必要な材料から近隣の特売情報まで確認できるものもある。もしレシピサイトと物流を組み合わせることができたら「献立を考えること」「材料をどこの店でお買い得に購入するか」「買い物に行く」という作業を一度にでき、台所に立つまでの手順が一気に楽になる。前日の夜などにレシピサイトを見ながら翌日の献立を考え、そのままチラシ情報を確認しながら配送を手配する。これが実現すれば限りある時間を家族と過ごしたり、自分を磨いたりする時間として使えるようになり、より充実した毎日を送れるのではないか。

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