/

地震で九州道の盛り土崩壊、原因は川の埋め立てか

日経コンストラクション

熊本地震の影響で九州自動車道の盛り土が崩壊した区間は、かつての小川を埋め立てた場所だったことが、日経コンストラクションの調べで分かった。詳細な原因は不明だが、地震によって旧河道が液状化するなどして滑り面ができ、盛り土が滑り破壊した可能性などが考えられる。

問題の区間は、九州自動車道の益城熊本空港インターチェンジから南に1.2km付近の熊本県益城町内だ。秋津川を渡る橋のすぐ北側で、盛り土した法面が長さ30mにわたって崩れ、路面に陥没やひび割れが多数生じた。4月14日午後9時26分ごろの「前震」で起こったとみられる。

この区間では、盛り土のすぐ東側を沿うように小川が北から南に向かって流れている。小川は盛り土が崩壊した区間のすぐ南側で、西側へ向けて流れをほぼ直角に転換。九州自動車道の橋の下をくぐり、その先で秋津川に合流している。

九州自動車道の同区間が開通したのは1976年のこと。国土地理院が公開している1967年撮影の航空写真によると、小川は工事前、北東から南西に向かってほぼ真っすぐに流れ、秋津川に合流していることが分かる。

工事に合わせて流路を変えた

ところが、工事が始まった1975年の写真では、小川が九州自動車道に沿うように流路が付け替えられたことが読み取れる。盛り土が崩壊したのは、工事前に小川が流れていた場所とほぼ一致する。

川や沢を埋め立てた盛り土が地震で崩壊する被害は、新潟県中越地震や能登半島地震をはじめ、過去に何度も繰り返されてきた。いずれも盛り土の締め固めやせん断補強、排水対策などが不十分だったことが原因とみられる。

盛り土の被害は橋やトンネルと比べて短期間で復旧しやすいため、耐震対策が遅れがちだ。しかし、幹線道路の通行止めは、被災した住民への生活物資の運搬や復旧工事の大きな妨げとなる。東日本大震災では被害が広範囲に及んだことで、復旧に時間を要した。新設する盛り土はもちろん、既存の盛り土の対策が急務となっている。

(日経コンストラクション 瀬川滋)

[日経コンストラクションWeb版 2016年4月18日掲載]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連キーワード

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン