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パラ競泳、リオ選考は初の一発勝負 選手を触発

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2016/4/21 6:30
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また、ロンドンでメダルは金2個を含む計8個と、北京とさほど変わらなかった。北京大会から五輪とパラリンピックを大会組織委員会が一体的に運営することになり、パラリンピックのメダルの価値が高まる。各国は北京大会のころから競技力向上に本腰を入れたのに対し、日本は出遅れ、ロンドンで相対的な実力の低下が明らかになったのだ。

代表選考会を兼ねた春季静岡記録会で派遣標準記録を突破し、笑顔を見せる木村敬一=共同

代表選考会を兼ねた春季静岡記録会で派遣標準記録を突破し、笑顔を見せる木村敬一=共同

そこで今回のリオデジャネイロ・パラリンピック出場選手選考。まず各レースで派遣標準記録を設定した。昨年の世界選手権で5位に相当するタイムと、そのタイムを1.05倍したタイムとを比べて、5位の記録が1.05倍より良かったら5位のタイムを、悪かったら1.05倍のタイムを、派遣標準記録とした。

「メダル」基準に競技力向上狙う

これは、5位といっても、3位から大きな差がある種目もあるので、より3位に近い記録を派遣標準とするためだ。選手はこの記録を突破すれば、自動的にリオ切符を得る。さらに、派遣標準記録を破れなくても、1月末時点での世界ランク3位のタイムと、選考会でのタイムを比べて、乖離(かいり)率が低い選手に上から順番に内定を出していった。透明性という観点からは、単純明快になった。また、ロンドンでは「入賞」が線引きの基準だったのをハードルを上げ、「メダル」を基準にすることで競技力の向上も狙った。桜井理事は「2020年に向けて、よりメダルを意識した方法に変えた」と説明する。

選考会では男子で鈴木孝幸(50メートル平泳ぎ、150メートル個人メドレー)、山田拓朗(50メートル自由形、100メートル自由形)、中村智太郎(100メートル平泳ぎ)、小山恭輔(50メートルバタフライ)の4人、女子で成田(50メートル自由形)が派遣標準記録を突破。昨年の世界選手権金メダルで、すでにリオ切符を手にしていた木村敬一とともに、自動的に出場が内定した。

残りは乖離率の低い選手から順番に内定を得た。今回の出場枠は男子12人、女子7人で、男子は乖離率が2.511%で一番小さかった中島啓智(200メートル個人メドレー)から6.479%の広田真一まで7人。女子は1.856%の一ノ瀬メイ(200メートル個人メドレー)から8.750%の池愛里(100メートル背泳ぎ)まで6人が、残りの枠を埋めた。池はその下の選手との乖離率の差がわずか0.18ポイントの薄氷の滑り込みだった。

実績を考慮せず、今の実力だけ測る

過去の実績は考慮せず、今の実力だけを測る一発勝負になったことで選手はしゃかりきになり、競技力は高まった。女子では成田、一ノ瀬、森下友紀が日本記録を更新。昨年の世界選手権で入賞したり、ロンドン大会代表だったりしたベテランが落選、一方で19歳の一ノ瀬、森下、17歳の中島、池といったフレッシュな戦力も抜てきできた。池は昨年の世界選手権で入賞できず、世界ランクも100メートル背泳ぎの15位が最高なので、これまでの選考法だったら選ばれなかったかもしれない。東京に向け、リオで経験を積んだ彼ら若手の伸びしろに期待ができるだろう。

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