欧州サッカーウォッチ(清水秀彦)

フォローする

プレミアリーグで初優勝濃厚 レスターの肝は岡崎

(1/3ページ)
2016/4/13 6:30
保存
共有
印刷
その他

サッカーのイングランド・プレミアリーグは日本代表のFW岡崎慎司が所属するレスターが21勝9分け3敗で首位を走っている。残り5節で2位トットナムとの勝ち点差は7。もう初優勝は濃厚と言っていい。

資金が潤沢ではないレスターがビッグクラブのひしめくプレミアリーグでなぜこれほど勝ち続けているのか。よくいわれているようにハードワークが持ち味なのは確かだが、それだけで勝っているわけはない。

きっちり決まっているそれぞれの役割

戦術的に特別なことをしているわけではない。布陣はオーソドックスな4-4―2(2トップは縦関係)。前線から相手を追い始めてサイドにボールを出させ、縦に配球したところをカットしてカウンターにつなげる。やっていることはきわめてシンプルで、それを90分間、愚直に続ける。そこにレスターのすごさがある。

それぞれの役割がきっちり決まっていて、いわばオートマチックに動く。勝手に判断して余計なことをすることがない。だから3ラインがぐちゃぐちゃにならない。

サイドの選手が変に中に入ったり、SBが必要以上に攻め上がったりしない。味方同士が一定の距離を保ち、スペースを埋める。

リーグ2位の21得点を記録しているFWバーディーはトップに残し、トップと2列目の間を岡崎が埋める格好だ。岡崎が買われているものの一つは守備力だろう。下がってきてMFと相手を挟み込んで体を張ってくれる。

2列目と最終ラインの間を埋めるのはドリンクウォーター。かつてのマケレレ(元フランス代表)のように、小さいけれどよく動くカンテが相手に食いつき、そこからこぼれてきたボールをドリンクウォーターが拾う。常にDFラインの前のスペースを埋めて空けないようにしている。

16得点のMFマレズは必ずバーディーの逆サイドに位置し、斜めの関係を保つ。決して縦の関係にはならない。バーディーとは逆の方向に逃げるように動いていき、相手を引き寄せてバーディーのサイドを空ける。

岡崎はバーディーの後方に構え、そこから真っすぐ縦に走って相手を引きつける。その1列奥を走ってフリーになるバーディーにラストパスを合わせることが多い。

中盤で「水を運ぶ選手」のFW版

岡崎はダミーで、バーディーが仕事をするスペースをつくる。おかげでバーディーはゴールを量産できている。普通、あれだけ点を重ねたらマークは厳しくなるものだが、岡崎が動いてマークを分散させている。バーディーは相手DFとの距離をもらえるので、縦へのスピードだけで振り切れる。

日本代表のオシム元監督が言ったように、サッカーでは中盤で「水を運ぶ選手」が必要。岡崎はそのFW版だ。たくさん走って、チームメートについているマークをはがしてくれる。だからバーディーもマレズもプレーを選択する時間をもらえる。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

欧州サッカーウォッチ(清水秀彦) 一覧

フォローする
リバプールのエース、サラー(右)の負傷退場で試合の流れは決まった=ロイターロイター

 2017年シーズンのサッカー欧州チャンピオンズリーグ(CL)は、スペインのレアル・マドリードが決勝戦(5月26日、ウクライナ・キエフ)でリバプールを3―1で下し、幕を閉じた。レアルは大会3連覇。その …続き (2018/6/1)

 欧州の最強クラブを決める大会、チャンピオンズリーグ(CL)の4強が出そろった。準決勝のカードはイングランドのリバプールとイタリアのローマ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンとスペインのレアル・マドリード …続き (2018/4/23)

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)は1次リーグを終え、16強による決勝トーナメント1回戦(2018年2、3月)の組み合わせが決まった。いきなりレアル・マドリード(スペイン)とパリ・サンジェルマン(フラ …続き (2017/12/19)

ハイライト・スポーツ

[PR]