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宇宙の太陽光、地球へ送電 電波で挑む(4)
軌跡

2016/4/15 6:00
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京都府宇治市の京都大学宇治キャンパスには電波で電気を送る専用の実験施設がある。電気をマイクロ波に変換して送る仕組みで、宇宙に浮かべた太陽電池から地上へ電力を送る「宇宙太陽光発電」の実用化を目指す。開発に取り組む京大の篠原真毅教授は「エネルギー問題を一気に解決できる」と意気込む。

宇宙太陽光発電の開発を進める京都大学の篠原真毅教授(京都府宇治市)

宇宙太陽光発電の開発を進める京都大学の篠原真毅教授(京都府宇治市)

マイクロ波による送電技術の歴史は古い。1800年代後半から実験が始まり、第2次世界大戦では兵器として注目された。一部の技術は電子レンジとして応用された。

京大では松本絋前学長(現理化学研究所理事長)が開発に着手。1983年に宇宙に打ち上げたロケットによる無線給電に成功した。その後、地上から飛行機へ電気を送る実験にも取り組み、日本は無線給電で世界の先頭を走る。

最近は米国の大学やIT(情報技術)企業も開発に乗り出し、電気自動車や携帯電話など身近な製品の給電にも期待が高まる。実用化でカギを握るのが電気をマイクロ波に変換する効率の高い技術と、電波を利用する際の規制緩和だ。

篠原教授は三菱電機通信機製作所(尼崎市)などと協力し青色発光ダイオード(LED)にも利用する窒化ガリウムを使った高効率の電力伝送用装置を開発。規制では国際機関や総務省に働きかける。

篠原教授は「無線給電が実用化すればライフスタイルを変える可能性がある」と力を込める。電源コードがなくなれば場所の制約を受けず電気製品を楽しめる。電波が生み出す新技術が社会生活をまた変えようとしている。(この項おわり)

次回は「ゴリラに学び、人を知る」

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