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二刀流4年目、ベール脱いだ「16年型」打者大谷

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2016/4/7 6:30
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相手のオリックスばかりでなく、偵察中の他球団のスコアラーをも震撼(しんかん)させたのではないだろうか。3月29、30日、地元札幌ドームの連戦で左中間方向に1、2号を放り込んだ日本ハム・大谷翔平のスイングは打者としても異次元の世界に入りつつあるのでは、という夢を抱かせるものだった。

打者としての持ち味は左方向と自覚

3月30日のオリックス戦で6回、大谷は左中間に2試合連続本塁打となる2ランを放った=共同

3月30日のオリックス戦で6回、大谷は左中間に2試合連続本塁打となる2ランを放った=共同

「打った瞬間入ると思った」。30日、オリックスの先発・東明大貴から放った打球は、広い札幌ドームの左中間最深部のフェンスを軽く越していった。野手出場2戦目での2号となった。

「入る」という確信には前日の1号との手応えの違いがあったからだろう。29日、西勇輝から放った1号は直球に多少差し込まれたようにもみえたが、スタンドに届いた。それを上回る感触だったという1打がオーバーフェンスしないわけがなかった。

ともに大谷の内ふところを狙った直球が甘くなったもののようだった。注目すべきは引っ張りたくなるコースを、中堅から左方向に打ち返したことだろう。

普通の打者ならコースに逆らった打撃となりかねないが、大谷は「中堅から左方向にいい打球が出るのはいい傾向」と、打者としての持ち味は左方向にあることを自覚している。またその技術もある。

投手とすれば、あのコースを左方向に持っていかれ、しかも本塁打にされたら、もう投げる球がないというほどショックを受けそうな内容だった。

打者としての今季出場1戦目となった29日は1号を含む2安打、1犠飛で1試合自己最多の5打点をマークした。大谷自身、得心したように振り返ったのは本塁打のあとの第4打席、三遊間をゴロで抜けていった安打だった。多少詰まったというが「必ずしも芯で打たなくてもいいのかな」。

ボールをできるだけ長くみようとすれば、速球系の球に振り遅れるリスクも当然出てくるが、多少差し込まれても、今の打撃なら大丈夫という感覚を得たようだ。それが可能になったのはもともと備えていた柔らかなリストワーク、しなやかなスイングに加え、入団4年目で体が大人の肉体の剛性を備え始めたことがあるのかもしれない。

細心の注意払い、時が熟すのを待つ

15勝で最多勝に輝いた昨季、打者としては109打数22安打の打率2割2厘。本塁打5本にとどまった。打数、安打数など一昨年のほぼ半分程度とは不本意だっただろう。しかし、大谷とともに前代未聞の挑戦を続けている栗山英樹監督は昨季までの3シーズンを試行錯誤の期間、あるいは肉体が成熟するまでの移行期間ととらえていたふしがある。

今季は打者大谷もフル回転で起用する計画のようで「そのためにこの3年間準備してきた」と言う。登板の前後2日は打者として起用しないなど、いろいろな決まり事を設け、細心の注意を払いながら、時が熟すのを待ってきた。

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