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シャープ製品「購入しない」6割

266回解説 編集委員 木村恭子

経営難に陥っているシャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されることが正式に決まりました。東芝は創業時の事業である家電部門を中国の家電メーカーに売却します。苦戦が目立つ日本の電機メーカーが今後、提携や買収などを外資と積極的に組むべきかどうかを電子版の読者にお聞きしたところ、「思う」との回答が54.8%を占めました。

一方、買収後のシャープの製品を購入したいと思うかどうかについては「思わない」と答えた読者が60.0%に上りました。

「海外企業と提携し新市場開拓を」

読者のコメントから、複雑な胸のうちを読み取ることができます。

「グローバル化を唱えつつ外資との提携を拒むことに合理性はない」(43歳、男性)、「少子化により今後も日本市場の縮小が懸念される中、海外企業との提携は資本強化のみならず、新マーケットの開拓にもつながる」(47歳、男性)と考える一方で、いざ日本企業が外資傘下になった場合は「同じ品質だとしたら、日本メーカーを購入すると思います。お金を国内で循環させたい」(38歳、男性)。

特に、シャープの製品については「買収以前に、シャープ製品への信頼がないので買いません。LED電球は1年で破裂しました。担当者が代替品で持参した電球も1年で点灯しなくなりました」(59歳、男性)と、最初から敬遠する声もありました。

アンケート結果をもう少しくわしくみてみましょう。

日本の電機メーカーが外資と連携することを是とする読者は、最近の製品に対して不満を覚えています。

「製品に魅力が無く、デザインも今一つ。自ら変われない日本企業には外資の洗礼が必要」(51歳、男性)

国内企業の再編も課題

その上で、日本企業に対しては、外資との競争のなかで勝ち抜いていける実力をつけるよう期待を寄せています。

「グローバル化がますます進む今日、純血主義は通用しない。経営力、技術力、財務力の全てで世界と競合できないと淘汰されるのは当然。努力して主導権を取れるように体力をつければ良い。恐れるな」(63歳、男性)

ただ、提携などにあたっては、「組む国による。一般的に中国製や台湾製は評判が悪い」(54歳、女性)と、「外国資本」とひとくちにいっても、戦略的に選択する必要性を感じている読者も少なくありませんでした。

一方、外資と積極的に組むことに否定的な読者(45.2%)の懸念の多くは「技術の流出」(44歳、男性)でした。

また、国内に家電メーカーの数が多すぎるとの指摘もありました。

「外資と組む前に国内の再編を進めるべきだと思う。今の時代、海外勢に対抗するためには身内(国内)同士で争っている場合ではない」(36歳、男性)

日本の電機メーカーは現在、8社体制といわれています。海外と比べてみると、例えば、韓国ではサムスン電子とLG電子の大手2社に集約されています。日本は少子高齢化で市場が縮小傾向にあるなか、国内企業の再編も必要な課題といえましょう。

鴻海の資金力に期待

回答者の内訳
回答総数2458
男性95%
女性5%
20代3%
30代8%
40代18%
50代26%
60代31%
70代12%
80代以上2%

次に、鴻海に買収された後のシャープの製品を購入したくないと答えた6割の読者の声をみてみると、3つのタイプに分けることができました。

一つは、前述のように日本の製品をひいきにする読者。もう一つは、もともとシャープ製品を買っていなかった読者です。

最後は、鴻海傘下になることで、これまでのシャープの企業風土が変わってしまうことを懸念する層です。

「経営手法が異なるので従業員のモチベ―ションが心配。それは、製品に反映される」(54歳、女性)

「買収後のシャープに『日本人の物づくりの心』を注ぎ込んだ製品が作れるのかどうか疑問。疑問を感じるメーカーの製品など買わない」(60歳、女性)

一方、鴻海傘下の「新生シャープ」の製品を購入すると思うと回答した読者(40.0%)は、鴻海を好意的にとらえています。

鴻海は電機メーカーの生産を肩代わりする電子機器の受託製造サービス(EMS)の世界最大手です。「iPhoneもプレイステーションもつくっている」(46歳、男性)実績とともに、同社の資金力でシャープが再生することに期待を寄せています。

「他の外資メーカーなら品質の劣化が懸念されるが、鴻海は高品質なiPhoneをつくっている実績がある。ある意味では今よりも品質面で安心感がある」(32歳、男性)

「資金が入って開発費が維持できるのであればプラスに働くのではないか」(40歳、男性)

いずれにしても「買うかどうかはブランドよりも商品の機能などの魅力によります」(40歳、男性)とあるように、「目の付け所がシャープ、かどうか」(58歳、男性)がポイントだといえるでしょう。

今回ご協力いただいた読者の皆さんによる安倍内閣の支持率は、前回調査からほぼ横ばいの63.8%でした。

「支持する」と答えた読者からは、自民党に対して苦言を呈する声がありました。

「他の政党には政権を持たせることは出来ない。自民党議員のおごりも目立つ」(72歳、男性)

最近、自民党所属の国会議員による問題発言を受けての謝罪や、プライベートでの不適切な関係による辞任などが相次いでいることを指しているのかもしれません。

他方、「支持しない」読者からは、消費増税や選挙についてのコメントがありました。

「消費税の増税見送り、衆参同時選挙は支持できない。増税を見送るのなら歳出削減に取り組むべきだ」(38歳、男性)

7日の日本経済新聞朝刊「視点・焦点」面は、鴻海によるシャープ買収に関しての特集です。併せてお読みください。

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