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守・破・離への道(岡田武史)

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FC今治、JFL昇格へ正念場のシーズンが始まる

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2016/4/2 6:30
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FC今治のオーナーになって2年目の今年は私にとってもクラブにとっても正念場のシーズンになる。4月3日には四国リーグがいよいよ始まる。昨シーズンは逃したJFL(日本フットボールリーグ)昇格を今シーズンは絶対に果たすつもりでいる。

現場寄りのポジション、CMOに就任

新体制発表には愛媛出身の白濱亜嵐さん(左)もかけつけた

新体制発表には愛媛出身の白濱亜嵐さん(左)もかけつけた

昇格を期した今季、私は昨季までと違った立場でトップチームに関わることになった。次の株主総会で社長を退いて代表権を持った会長になる一方、チーフ・メソッド・オフィサー(CMO)という現場寄りのポジションに就いて、トップのチームづくりや選手育成、強化、普及の柱となる「岡田メソッド」の完成に、より傾注できる態勢を整える。

昨年は、きちんとした就業規則もないような会社で皆が一生懸命に働いてくれた。近隣の幼稚園を対象にした巡回指導は好評を博し、U-12(12歳以下)のチームは愛媛代表として年末の全日本少年サッカーに出場する快挙を成し遂げてくれた。おかげで今年のセレクションには大勢の子供たちが集まってくれた。

それだけにトップチームが昨年11月の全国地域リーグ決勝大会を勝ち抜けず、JFL昇格を逃したのは余計に悔しかった。いくら立派な理想を掲げても成果が上がらない仕事からは人は離れていく。特にトップチームはクラブの顔だけに影響力は大きい。自分に対する信用で何とか持たせるのも限界があり、ニュースバリューが落ちて賞味期限が切れたような状況になり、資金が集まらなくなったらクラブは立ちゆかなくなる。そういうサイクルにはまらないためのCMO就任と受け取ってもらってかまわない。

もともと、フル操業だった社長業1年目を終え、このままでは身が持たないと思っていた。オーバーペースで自滅するマラソンランナーというか。来月の給料が払えるかどうか心配で必死な自分と比べてフロントのスタッフには危機感が足りないように思え、何でもかんでも仕事を引き受けて限界ぎりぎりのところまで自分を追い込む羽目に陥っていた。これでは自分もパンクするしフロントも育たない。

スタッフに仕事任せ、危機感共有

今年はやり方を変えることにした。今治に夢や希望を持って集まってくれたスタッフには優秀な人材が多いから、仕事を任せて責任を持たせれば危機感を共有できるはずだと私なりに反省したのだ。丸投げにする気はないけれど、任せるところは任せる、すべてを私に仰ごうとしない。私が不在のときでも仕事が回るクラブにするために新しい方向に歩を進めることにしたのだ。

バランスシートや損益計算書を読み解きながらクラブ経営の舵(かじ)を取る喜びを昨年は発見したが、友人たちに「いっぱしの経営者になったつもりで気取ったことを口にする岡田に魅力を感じない。もっとリスクを負ってチャレンジしろよ」と忠告された。そういうことに背中を押された部分もある。クラブ経営は次の株主総会で新社長になる人間にある程度任せ、空いた時間やエネルギーを自分は何に注ぎ込むかとなったとき、トップのチームづくり、メソッドづくりの現場にさらにコミットすることだった。

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