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サンウルブズ、序盤3試合でみえた強みと弱み

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2016/3/25 6:30
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3試合目でこの舞台の本当の厳しさを味わったといえる。南半球の強豪クラブが集うスーパーラグビーに参戦した日本チームのサンウルブズは、19日のレベルズ(オーストラリア)との対戦で9-35の完敗。ノートライに終わったのも初めてだ。

海外勢の視線、すでに変化

レベルズに敗れ、開幕3連敗となったサンウルブズの選手たち=共同

レベルズに敗れ、開幕3連敗となったサンウルブズの選手たち=共同

「スーパーラグビーってこんなものなの?」。13-26と健闘した初戦のライオンズ(南アフリカ)戦の後は、こう話す選手もいたという。続くチーターズ(南ア)戦も31-32の惜敗。周囲の予想を上回る2度の善戦で自信が膨らみかけたところだったから、冷や水をかけられたような形になった。

ただ、3試合の相手を比べれば、そう単純な話ではないことが分かる。レベルズはニュージーランドと豪州の代表経験者が先発に8人並ぶ強力な布陣。攻守の連係も成熟していた。

主力を一部休ませてきた最初の2チームと違い、ほぼベストメンバーを組んできたという事情もあった。「他の国の選手は日本のこのチームを認めていないかもしれない」。WTB山田章仁は開幕の直前に話していたが、序盤の健闘を受け、海外勢の視線は既に変わってきたのだろう。

3戦を終え、サンウルブズの強みと弱みもある程度、はっきりしてきた。そのことは数字でも示されている。

「致命的」と田辺淳アシスタントコーチが話すのは反則の数。1試合平均のペナルティー数は11.7で、全チームの中でブルズ(南ア)の12に次いで多い。結果的に、チャンスを逃し、自陣に押し込まれる時間が延びる形になっている。昨年のワールドカップ(W杯)における日本代表は最も反則が少ないチームの一つだったから、好対照だ。

サンウルブズが良く犯す反則には何種類かあるから、理由は複合的なのだろうが、田辺コーチがその一つに挙げるのが「苦し紛れのキックが多い」。自発的なタイミングではなく、相手の防御が目の前に迫ってから慌てて前へ蹴ることがある。

味方の体制が整っていないから、ボールを追いかけるための防御ラインをすぐに形成できない。捕球した相手のランナーに前進を許し、組織の乱れがさらに広がる。最終的に密集や防御ラインで前に出てしまうなどして、オフサイドの反則を犯すという見立てだ。

「もう少し早めに蹴って、相手を後ろ向きに走らせたい」と田辺コーチ。うまくスペースにボールを落として相手を背走させられれば、陣地を稼げる。味方の防御ラインを形成する時間も確保できるので、反則も減るはず。

反則の背景に選手の技術や意識

田辺コーチは反則のもう一つの理由に、タックルをした選手の技術や意識の部分を指摘する。タックラーが密集戦に巻き込まれて相手の球出しを妨げる、ノット・ロール・アウェーのペナルティーが多いからだ。

「倒れたらまず(密集から)どかないといけない」と田辺コーチ。23日の練習では、選手が倒れてから素早く転がって人混みから脱出する動きを選手は何度も反復していた。

W杯の日本代表はエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもと、チームづくりに4年間をかけていた。連係は成熟し、選手の意識統一もされていたから、同様の問題は生じなかった。一方のサンウルブズは始動から僅か1カ月半。日本代表との差を埋めるための作業が懸命に続いている。

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