2018年7月22日(日)

投資銀行・コンサル・商社 あこがれ企業1年目の現実

就活
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2016/3/24 6:30
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 初めての就職活動は分からないことだらけ。直接企業に質問しづらいことも多いし、口コミ情報がどこまで信用できるかも不安だ。そんな悩みを解決する「就活探偵団」。就活生の様々な疑問に答えるべく、あなたに代わって日経記者が企業に突撃取材します。

 報酬や待遇などでしばしば第1志望にあがる外資系銀行や大手コンサルティング事務所、総合商社。任せてくれる仕事の大きさの一方で、「激務」「成果主義」といったハードワークのイメージもぬぐえない。3月も終盤に入り、業界研究に悩む就活生も多いだろう。あこがれの業種に就職した卒業生たちが、想像以上に厳しい現実と、やりがいを教えてくれた。

■若手社員たちの悲鳴

 都内有名私大卒の男性(24)は、新卒入社1年で東京の大手投資銀行を退社した。入社直後の研修では海外に行かせてもらうなど、夢のある社会人スタートを切ったが、その後現場業務につくと、朝5時に自宅に帰り、8時に出社、という毎日が続いた。作業はひたすらクライアント企業への資料作り。「セルの幅が1ミリメートルでもずれていると作り直しを命じられた」。ある日、片方の耳を枕につけて寝ていたら、目覚まし時計の音が聞こえないことに気づいた。医師の診断は突発性難聴。「このまま続けたら体が壊れる」と退社を決心した。給料は50万~60万円。有給休暇は使い切ったという。

 「激務と知っていたけれど、毎日深夜帰りは想像以上に心身にこたえた……。体力がすり減っていくのを感じる」。ぐったりした様子で語るのは、大手外資系コンサルティング会社に勤務する2年目の女性社員だ。チーフの下でクライアント企業の戦略立案をまとめたり、英語の会議の議事録をとったりして1週間が終わってしまう。都内の有名私大を卒業し、DeNAなどの大手IT会社からも内定をもらっていたが、あこがれていたコンサルの世界に足を踏み入れた。楽しみにしていた今年4月からの2週間の休暇も、仕事で半分になってしまった、と嘆く。

 一昨年、難関をくぐり抜け大手広告会社に入社した女性は、激務と上司からのパワハラに耐えきれず2年目に退職した。出社は朝の3時、退社が夜の11時という日々に体を壊して入院し、医者と親に「仕事と命、どちらが大切か」と説得された。上司からは「仕事が終わらないのは、あなたの出来が悪いから。こんなので残業代をもらうな」と常々いわれていたという。彼女は、その後数カ月して退社した。

 「動画でお見せしましょうか?」。大手総合商社1年目の男性が見せてくれたのは、日々の生活を端的に示した2本の動画だ。場所はカラオケ店だろうか。上半身裸の若い男性数人が並ばせられ、もも上げ持久競争をしている。男性社員の前では、女性社員がプラスチックのボードをもってもも上げの高さを測っている。「最後まで誰が残るか、競争する余興です」。もう一つの動画では、ランニングシャツをきた若い男性たちが組み体操で、4段のピラミッドをつくる。驚くほどのスピードで、相当の訓練を重ねたよう見える完成度だ。「会社に入ってこんなことをするとは予期しなかったけど……。全力で商社マンをやってます」。過酷な毎日に耐えうる体力を持ち合わせているか、調べるねらいなのか。それにしても、過酷な現実だ。

■給料の高さ、合コンウケはばっちり

 ここまでハードなこともあり、給与の高さを否定する社員はいないが、同時に金遣いの荒さを指摘する声も多かった。「一番多くて手取りは55万円くらい。お給料は思っていたより高いが、買い物や飲み会などのストレス発散で使ってしまい、貯金は全然できない」(コンサル大手1年目)。成果によって待遇の差もつきやすい。大手コンサル2年目の男性は、「同期入社でも、2~3年目から冬のボーナスで60万~300万円の差がつく」と話す。

早期内定のトリセツ 就活探偵団が突撃取材

著者 :
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,188円 (税込み)

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