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原発止めた地裁決定「支持しない」60%
第263回解説 編集委員 木村恭子

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2016/3/17 3:30
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大津地裁が関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じる決定をし、関電は運転中だった3号機を停止しました。稼働中の原発が司法の判断で止まったのは初めてのことです。

今回の地裁決定を支持するかどうかを電子版読者の皆さんにお聞きしたところ、「支持しない」との回答が60.2%を占めました。

決定を支持しない読者の多くは、裁判官が原発の安全性を判断できるだけの専門的な知識を持ちえていないとの認識です。

「司法に科学的根拠のもと、判断できる知識があるのだろうか」(55歳、男性)

「司法が技術的な事に関して入り込むと技術専門的な規制委員会の存在意義まで問われる事となり、行き過ぎだ」(69歳、男性)

「原子力発電所の安全性は科学的な評価の問題。司法が関与するにはなじまない(法律を守ったところで安全とは限らない)」(54歳、男性)

■地裁の判断に科学的視点から疑問

また、地裁が規制基準や断層の調査が不十分であることなどを指摘した点についても、科学的な視点から首をかしげています。

「判断理由が抽象的で、科学的な根拠に基づくものではない」(44歳、男性)

「今回の決定では、どういう条件をクリアすれば稼働を許可するか、明示されていない。裁判官の心証がOKならば稼働してよいということか」(65歳、男性)

つまり、今回の大津地裁の判決は「感情論で判断しているように思われる」(45歳、男性)との印象を持った読者が少なくなかったということです。

■「原発稼働の是非、裁判所が判断することか」

高浜原発の仮処分申請は住民らが起こしたもので、規制基準の妥当性などが争点になっていました。ただ、原発を再稼働させるかさせないのか――といった判断を裁判所が行うこと自体に疑問を抱く読者からの声も紹介します。

「もし規制委員会が『不適合』と判断した原発について、裁判所が何らかの法令を根拠に再稼働可能と判断したら……。今回と逆のケースを考えた場合、裁量権を逸脱した判例のように思う」(40歳、男性)

また、原発の再稼働を進める政府と、原発停止を可能とする裁判所の決定との関係を、国家権力を行政権(内閣)と立法権(国会)、司法権(裁判所)に分立させる三権分立の観点を踏まえて論じるコメントもありました。

「国や規制委員会が新しい規制基準のもとに再稼働をしており,運転停止による雇用や経済、今後のエネルギー政策への影響は大。三権分立とはいえ、いち地裁の判断で運転が簡単に覆されるのは混乱を生じさせないか心配」(56歳、男性)

この読者が「混乱」を心配しているように「日本の経済のことを何も考えていない」(58歳、男性)といった、即時効力を持つ原発停止の仮処分によって国民生活や経済活動に悪影響を及ぼしかねないことへの危惧を指摘する意見も相当数に上りました。

一方、「支持する」と答えた39.8%の読者からも三権分立に関係するコメントがありました。

「行政の行き過ぎを正すのも司法の役割」(57歳、男性)

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