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ヘビー級、新時代の予感 魅力的なスター候補が続々
スポーツライター 杉浦大介

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2016/3/17 6:30
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世界ヘビー級ボクシングに復興の狼煙(のろし)――。近年は人材難が続いてきた最重量級が、新章を迎えようとしている。昨年11月28日、現代の最強王者として君臨してきたウラディミール・クリチコ(ウクライナ)が、タイソン・フューリー(英国)に敗れて世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)、世界ボクシング機構(WBO)のヘビー級王座から陥落。カリスマ性のなさが指摘されてきたクリチコの落城に前後して、魅力的なスター候補が世界各国から頭角を表している。ヘビー級の次代は誰が担っていくのか。

新王者フューリー、破天荒キャラ

9年にわたってこの階級を支配してきたクリチコが、昨年11月に27歳のフューリーのアウトボクシングに逃げ切られた。39歳になった勇者の老いを隠せない形での敗北は、一時代の終わりを感じさせたのも事実。時を同じくして、多くのタレントが芽を出し始めているのは偶然ではないだろう。

「俺は退屈だったクリチコの時代を終わらせることで世界を救ったんだ」

無敗の戦績を25戦全勝(18KO)に伸ばしたフューリーは、クリチコ戦後にそんなことをうそぶいてみせた。会見にはバットマンの仮装で登場し、試合後のリングでエアロスミスの曲を熱唱するような破天荒なキャラだが、単なるお調子者の一発屋ではない。身長206センチ、リーチ216センチという恵まれたサイズを生かすうまさを持っており、負けにくい選手であり続けそうだ。

昨年1月にはデオンテイ・ワイルダー(米国)が世界ボクシング評議会(WBC)のヘビー級タイトル戦に勝利。7年7カ月ぶりに母国にこの階級のベルトをもたらし、その後もWBCの王座を3連続KOで防衛してきた。36戦全勝35KOという戦績が示す通り、破格のパワーが売りのスラッガーである。

豪州、キューバ…各国に実力者

「俺はファンが望んでいるものをもたらしたい。常に相手をKOしたいんだ」

今年1月にニューヨークで行われた防衛戦でも豪快なKO勝ちを飾ったあと、30歳の王者はそう宣言していた。安定感、ディフェンス力に欠けるきらいはあるが、その分かりやすさと迫力は魅力的である。

現代ヘビー級の役者は64勝4敗(53KO)のクリチコ、フューリー、ワイルダーだけではない。それ以外にも、IBF王者で23勝1分け(21KO)のチャールズ・マーティン(29、米国)、WBA正規王者で24戦全勝(21KO)のルーカス・ブラウン(36、オーストラリア)、WBA暫定王者で2つの無効試合がありつつも25勝(22KO)のルイス・オルティス(36、キューバ)、元WBA王者で30勝1敗(22KO)のアレクサンダー・ポベトキン(36、ロシア)、元WBA王者で27勝2敗(25KO)のデビッド・ヘイ(35、英国)といった実力者がズラリとそろう。

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