勝ち続けられるか、日本のクルマ産業 世界から見た「強み」
自動車産業の行方(1)

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2016/3/23 6:30
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日経テクノロジーオンライン
 ガソリン自動車の誕生から2016年で130年。長きにわたって経済界の主役の一角をはる自動車産業は今後さらに成長するのか、逆にどんな死角があるのか――。連載「自動車産業の行方」では、コンサルティング会社のアーサー・D・リトル(ジャパン) パートナーの鈴木裕人氏に、自動車業界を取り巻く各国の産業構造(セミマクロ)や世界の自動車メーカーのポジショニング、さらに将来のビジネスモデルの変化を捉え、自動車産業の持続可能性をさまざまな角度から検証してもらう。今回のテーマは、「世界における日本の競争優位性」である。

2015年10月に開催された東京モーターショーでイチロー選手(左)とプレゼンテーションするトヨタ自動車の豊田章男社長(右)

2015年10月に開催された東京モーターショーでイチロー選手(左)とプレゼンテーションするトヨタ自動車の豊田章男社長(右)

"先進国リーグ"における「チーム日本」の競争優位はどこにあるのか。これを検証するには、各先進国の産業構造における自動車産業の位置付けを改めて整理する必要がある。

大前提として、「自動車産業は20世紀の産業中の産業である」とはピーター・ドラッカー氏の言葉であるが、この状況は21世紀に入り、リーマンショックを経た今でも、多くの国で変わっていない。GDP(国内総生産)および雇用創出の観点から見て、自動車産業は各先進国においても、いまだに一定以上の地位を占めている(図1)。

図1 各国のGDP、輸出額に占める自動車関連産業(自動車製造+運輸+物流)の比率(出所:Euromonitor,ADL、ADL=アーサー・D・リトル)

図1 各国のGDP、輸出額に占める自動車関連産業(自動車製造+運輸+物流)の比率(出所:Euromonitor,ADL、ADL=アーサー・D・リトル)

中でもドイツにおいては、自動車関連産業の比率はGDPの5.5%、輸出額の16.2%を占め、GDPにおける占有率が10年前に比べて増加するなど、その存在感はさらに拡大している。

一方、同じ欧州でも周辺のイタリアやフランスとなると、かなり様相が異なる。特に10年前と比較すると、自動車産業の存在感がいずれの視点でも低下傾向にあることが明確に分かる。これはよく言われるように、欧州連合(EU)域内での経済統合と東方進出が進む中で、EU域内での競争、すなわち「ドイツ一人勝ち」のあおりを受けているのは間違いないだろう。

また米国においても、リーマンショック後のGMやChryslerの破たんなどを経て、他国に比べて元々低かったGDPや輸出に占める自動車産業の比率はさらに低下傾向にある。つまり、米国における(既存の)自動車産業は、ますます相対的地位が低下しているのだ。

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