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我こそ次代の旗手

我こそ次代の旗手 自己最高狙う楽天・則本 若手けん引、真のエースに
スポーツライター 浜田昭八

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2016/3/13 6:30
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プロ野球の開幕投手に選ばれるのは、投手にとって名誉なことだ。チームのナンバーワン投手だと、だれからも認められたことになるからだ。楽天・則本昂大は、梨田昌孝新監督から3月25日、本拠地の仙台・コボスタ宮城にソフトバンクを迎えて行う開幕戦の先発を申し渡されている。2013年の新人時代から4年連続の栄誉である。

新人時代から4年連続の開幕投手が決まっている則本=共同

新人時代から4年連続の開幕投手が決まっている則本=共同

先達には12年連続で開幕投手を務めた阪急(現オリックス)・山田久志がいる。だが、新人時代から4年連続という例はない。開幕までにアクシデントがなければ、則本は珍しい快挙の主になるのだ。

ただ、この4年連続は額面通りには受け取れない。13年は当時エースだった田中将大(現ヤンキース)が24勝無敗1セーブの快記録を残して優勝したシーズンだ。当然、田中が開幕投手になるはずだったが、その春に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」のメンバーに選ばれた。調整スケジュールが変わったため、則本にお鉢が回ってきたのだ。

3年連続2桁勝利は誇れるが…

確かにタナボタの開幕投手だったが、当時の星野仙一監督は田中の代役に、並みいるベテラン、中堅投手を押しのけて新人則本をためらわず選んだ。キャンプの時点から則本の実力を高く評価していた。打者に向かっていく闘志あふれる投球は星野好みだった。則本はこの年、15勝を挙げて新人王になり、星野の期待に応えた。

2年目の14年は、策士星野の"あおり作戦"で引き締められ、2年目のジンクスに取りつかれるヒマもなかった。この年入団した評判の甲子園球児、松井裕樹(神奈川・桐光学園高)を開幕投手に起用するかもしれないと匂わせた。「高卒新人の開幕投手」は、この上ない注目を集める。

だが、これは星野の策略だった。田中が大リーグへ去り、投手陣に大きな穴が空いた。穴埋めの台頭を待つ星野は、高校生に抜かれていいのかと、投手たちを刺激したのだ。それに乗せられた形だが、則本は気合を入れて調整し、開幕投手に選ばれた。14勝して最多奪三振のタイトルも取った。

3年目の昨季は大久保博元監督に代わったが、名実ともにエースにのし上がった則本は、もちろん開幕投手。ただ、バックが振るわず、10勝11敗と負け越し、チームも2年連続で最下位に沈んだ。

結果的には穴を空けずに先発ローテーションを守り、3年連続で2桁勝利をマークした。それには誇りを感じている。だが、13年の田中の「貯金24」は望めないまでも、もっと安定感のあるエースでなければならないと思っている。2桁勝利を挙げても、昨季のようにエースが10勝11敗の「借金1」と負け越すようではチームの士気にもかかわる。

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