2019年6月18日(火)

曽和利光の就活相談室 「面接は言葉のキャッチボール」の定説を疑え

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2016/3/9 6:30
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 リクルート、ライフネット生命などの人事責任者として20年以上、累計で2万人を超える就活生を面接してきた「プロ人事」、曽和利光さん。「学生は、根拠のない思い込みで失敗している」という曽和さんが、面接官の本音を語ります。第5回は「面接は『言葉のキャッチボール』の定説を疑え」です。

曽和利光(そわ・としみつ) 1971年生まれ。 京都大学教育学部卒。リクルート人事部ゼネラルマネージャー、ライフネット生命総務部長などを経て2011年、主に新卒採用を対象にしたコンサルタント事業の人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新報社)、「『できる人事』と『ダメ人事』の習慣」(明日香出版社)などがある。

曽和利光(そわ・としみつ) 1971年生まれ。 京都大学教育学部卒。リクルート人事部ゼネラルマネージャー、ライフネット生命総務部長などを経て2011年、主に新卒採用を対象にしたコンサルタント事業の人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新報社)、「『できる人事』と『ダメ人事』の習慣」(明日香出版社)などがある。

■短期決戦で「素人面接官」が急増

学生から、こんな相談がありました。

「面接官からの質問に対しシンプルに返答するように、というアドバイスをもらっていました。そこで、『学生時代にやってきたことを教えてください』という質問に、『大学の野球部に入っていました。3年間、主にピッチャーとして活動しました』と返しました。もっと、質問がくると思っていたんです。ところが、それ以上つっこんだ話を聞かれることもなく、結局面接は5分で終わってしまいました。何が悪かったのでしょうか」

就活のノウハウ本などにはよく、「面接は言葉のキャッチボールで」という定番のアドバイスがあります。相手からの質問に対し、あらかじめ用意してきたような自己アピールを一方的にするのではなく、簡潔な答えでやりとりを繰り返し、会話を深めていくというぐらいの意味でしょう。ただし、これは、相手が熟練の面接官だったときに初めて成立します。

私は仕事柄、企業から依頼されて面接官のトレーニングをします。圧倒的に多いのが、普段は採用や、学生と接触する機会のない不慣れな「素人面接官」です。特に、今年は就活のスケジュールが変更になり、昨年より2カ月早い6月には内定を出す企業が続出します。短期決戦の就活で、優秀な人材を確保しようと、企業は大量のリクルーターを投入しています。選考過程でも、1次面接など初期選考では素人面接官を動員してくる比率が高まるでしょう。何千人という学生が面接を受ける大企業では、その傾向はさらに高まります。当然、会話のキャッチボールにも慣れていません。

冒頭の相談者の場合も、学生がシンプルに回答しすぎたため、面接官は話の接ぎ穂を失ってしまい、次の質問につながらずに終わってしまったケースでしょう。不慣れなので、その学生の本質がよくわからなくても、追加質問をすることなく、下手をすると自分の経験談だけをまくし立てて終わってしまうようなケースもあるのです。

会話のキャッチボールをしようとしても、問いと答えがちぐはぐでかみ合わなかったり、面接官の質問が「とんちんかんだな」と感じたりしたら、自分の情報を存分に伝えられる「プレゼンテーション型」に切り替えましょう。多少、長くなっても相手がこちらを判断するのに十分な情報を伝え、材料を提供します。この場合の注意点は、「情報をたくさん伝えなければ」と焦って早口にならないよう、ゆっくり話すことです。

素人面接官にはもう一つの特徴があります。相手の学生がどんな人間か、その人物像を知ろうとするときに、「事実」ではなく、「思い」や「思考」を尋ねてくることです。「あなたの強みや弱みを教えてください」、「あなたはどんな性格ですか」といった抽象的な質問がこれに当たります。事実ではなく、なんとでも言える主観的な思いを聞いても、学生の本質を知ることはできません。面接官の頭の中で、学生の人物像ができあがっていないにもかかわらず、相手のいう人物像をうのみにしてしまうことになります。そうすると、結局「明るくて元気な人がよい」というような、印象だけの判断になってしまうのです。

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