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米グーグル「ゴールド免許」失敗 自動運転で初事故

 米グーグルが開発している自動運転車の「無事故」記録がついにストップした。2月中旬、公道での走行実験中にバスと軽い接触事故を起こしていたことがわかったのだ。グーグルが自動運転車の開発に取り組み始めた2009年以来、グーグル側に過失がある事故は初めて。今回の事故でのけが人はいなかったものの、交通状況が複雑となりがちな市街地での自動運転の難しさを改めて浮き彫りにした。

事故は、グーグルの持ち株会社アルファベット傘下で自動運転車の開発を手掛ける子会社が2月23日付でカリフォルニア州に報告し、当局が29日公表したもの。同州は自動運転車を州内で開発する企業に対し走行実験中に起きた事故の報告を義務付けている。

200万キロ以上走って初

事故が起きたのは先月14日午後。トヨタ自動車の多目的スポーツ車(SUV)「レクサスRX450h」を改造した試作車が、グーグル本社があるマウンテンビュー市内の幹線道路を走行中のことだった。走行車線の右側前方に発見した砂袋をよけようして左に寄ったところ、左後ろからやってきた路線バスと接触した。

接触時の自動運転車の速度は時速2マイル(約3キロ)以下で、バスは同約15マイル(約24キロ)だった。グーグルの車両は左側前方のボディーとタイヤホイールを損傷。自動運転に使うセンサーの一部も壊れた。

グーグルは29日、事故の責任の一部を認めるコメントを発表。再発防止に向け、ソフトウエアを修正したことを明らかにした。

グーグルの自動運転車は09年以来、累計で140万マイル(約225万キロ)以上の距離を自動運転モードで走り、ソフトウエアやセンサーなどシステムの改良を重ねてきた。その間の事故は、これまでに20件近く報告されているが、いずれも相手側の過失か、人間のテストドライバーが運転中のものだった。今回の事故により、自動運転走行中の「無事故」記録がストップした。

「目で語り合えない」

今回の事故は、相手の車両の出方を読み間違えたことに起因する。人間のドライバー同士であれば、アイコンタクトで譲り合うということもできるが、人工知能(AI)は「目で語り合う」ことができない。こうした「社会的シグナル」(開発プロジェクトを率いるクリス・アームソン氏)をどう読み取り、対応するかはかねて課題の一つとなっていた。

今回のソフトウエアの修正で、グーグルはAIに「バス(および他の大型車両)は、それ以外の種類の車より道を譲る可能性が低い」と教え込んだという。グーグルの自動運転車はもともとかなりの安全運転をするようにプログラミングされているが、今後は一段と慎重になりそうだ。

自動運転車の技術や規制動向に詳しいサウスカロライナ大学のブライアント・ウォーカー・スミス助教は米CNBCに対し、「現実の世界や道路はごみごみしている場所だ。自動運転車による事故はこれからも起きるだろう」と指摘。今回の事故でわかったのは、「いまの自動運転技術は様々な道路状況に(的確に)対応できるレベルではまだないということだ」とコメントした。

グーグルにとって「無事故」の看板を下ろさざるを得なくなったのは痛手だ。だが、20年ごろの実用化を目指す研究開発が停滞することはなさそうだ。報告書では「今回のような状況に、今後はよりうまく対応できるようになると期待している」と述べている。

(シリコンバレー支局 小川義也)

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