2019年1月22日(火)

曽和利光の就活相談室 エントリーシートに書いてはいけないエピソード

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2016/3/2 6:30
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 リクルート、ライフネット生命などの人事責任者として20年以上、累計で2万人を超える就活生を面接してきた「プロ人事」、曽和利光さん。「学生は、根拠のない思い込みで失敗している」という曽和さんが、面接官の本音を語ります。第4回は「エントリーシートに書いてはいけないエピソード」です。

■人事がうんざり 激変系エピソード

曽和利光(そわ・としみつ) 1971年生まれ。 京都大学教育学部卒。リクルート人事部ゼネラルマネージャー、ライフネット生命総務部長などを経て2011年、主に新卒採用を対象にしたコンサルタント事業の人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新報社)、「『できる人事』と『ダメ人事』の習慣」(明日香出版社)などがある。

曽和利光(そわ・としみつ) 1971年生まれ。 京都大学教育学部卒。リクルート人事部ゼネラルマネージャー、ライフネット生命総務部長などを経て2011年、主に新卒採用を対象にしたコンサルタント事業の人材研究所を設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新報社)、「『できる人事』と『ダメ人事』の習慣」(明日香出版社)などがある。

「学生時代のエピソード」という質問に対し、やたら目立つエピソードのパターンがあります。

1つ目は「激変系」。例をあげましょう。「所属する野球サークルでとても大きな試合があったのですが、僕のエラーで負けてしまいました。その帰り、先輩から『……』と言われました。私は、この先輩の一言から○○と感じて、△△が大切だと学び、その時から変わりました。」

この学生の返答で激変系と言われるキーワード。それは「その時私は」。つまり、自分の価値観や人格に起きた変化をある一瞬の出来事によって説明しようとしているのです。私はこれを「激変系エピソード」と読んでいます。

激変系は2つの理由からNGです。1つ目の理由は、「人はそんなに突然変わらない」。今回のエピソードでいえば、おそらく「先輩の一言」はきっかけにすぎないはずです。就活生はその価値観になった理由を一瞬の出来事で説明しようとしているけれど、実際は過去に様々な経験があったから今があると考えるのが普通です。つまり、選ぶべきエピソードを間違えている可能性が高いです。

さらに、この「激変」が本当に正しかったとしたら、余計に問題です。つまり、他人の言葉や環境を受けて、やたら「激変する人」なんてなかなか信頼できません。言い方を変えると、その人の行動を予測できにくい人で、仕事を頼みづらい人、ということになります。どこかの就活本に書かれているのだろうか? と疑いたくなるほどよく見かけます。人事部から見ると、「自己分析が足りない人」という印象になります。

次に、よく登場するのが「一体感醸成系」エピソード。

「所属するテニスサークルにすごくやる気がある人とやる気のない人がいました。私は間に立ち、丁寧にそれぞれと話をしました。結果、時間はかかりましたがみんなで一体感を持てるようになり、関東大会という目標に向かって努力できました」。

「一体感醸成系エピソード」は、「激変系」と比べればそれほど悪いエピソードでもありません。ただ20年の人生の中で、他にも良いエピソードがあるはずなのに、なぜこれを選んだのだろう、と人事担当者として疑問に思っていました。なぜか非常に多いのです。しかも、上記のように、仲を取り持つ役柄で話す人が圧倒的に多いので、「ああまたか」と感じていたのは否めません。

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