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サッカーACL、日本勢に必要な「勝ち点3」への執着

サッカージャーナリスト 大住良之

アジアのサッカークラブ王座をかけたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)がスタートした。昨年はG大阪が準決勝、柏が準々決勝進出を果たした日本勢だったが、グループステージ(1次リーグ)では負けが先行して苦しんだ。今季も出場4チームのうち初戦で勝利を収めたのはホームでシドニーFC(オーストラリア)を2-0で下した浦和だけ。広島とFC東京は黒星スタート、G大阪は無得点引き分けだった。

ACLのグループステージは全8組。そのうち4グループ(E~H組)が東アジアに割り当てられ、それぞれに日本のクラブが1つずつ入っている。

全北戦の後半、見事な突破からゴールを決めるFC東京・阿部=共同

広島、勝ちパターンと思われたが…

第1節第1日の23日に登場したのがE組のFC東京とF組の広島。FC東京はアウェーで全北現代(韓国)と対戦した。2週間前のプレーオフでチョンブリ(タイ)を9-0で一蹴したFC東京は、アウェーながら立ち上がりから激しい攻撃を仕掛けた。

相手は韓国リーグ2連覇のうえに今季大量の補強に成功、10年ぶりの優勝を目指す全北。だがFC東京はプレーオフで見せたアグレッシブな姿勢を崩さず、前線のFW阿部、MF東らが再三チャンスをつかんだ。

しかし39分、その圧倒的な攻勢のなかでカウンター攻撃を受け、先制点を許した。後半に入ると試合はめまぐるしい攻防となったが、83分に全北のエース李同国に2点目を許す。FC東京は87分に阿部が見事な突破からシュートを決めて1点を返したが、1-2のまま逃げ切られた。

E組のもう1試合、ビンズオン(ベトナム)と江蘇蘇寧(中国)は1-1の引き分け。総額100億円を超す強化が話題になった江蘇だったが、まだまだチームが固まっていないようだ。

広島は山東魯能(中国)とのホームゲームに、3日前の富士ゼロックス・スーパーカップ(G大阪に3-1の勝利)から6人を入れ替えて臨んだ。昨年12月のクラブワールドカップで毎試合メンバーを大幅に入れ替えながら3位に食い込んだ経験を自信に、前半から広島らしい堅守速攻を見せ、64分にはペナルティーエリア左からMF清水が決めて先制、「勝ちパターン」にはまったかと思われた。

山東戦の後半、広島・清水がペナルティーエリア左から先制ゴール=共同

しかしそこから山東が反撃、CKから同点にされ、78分には元ブラジル代表FWジエゴタルデリに決勝点を許してしまった。

F組のもう1試合は、FCソウル(韓国)がブリーラム(タイ)にアウェーで6-0の大勝。ブラジル人FWアドリアーノが4得点の大活躍だった。

浦和、今季目指すサッカーの片りん

FC東京も広島もそれぞれに「らしさ」を発揮し、試合内容としてはけっして悪くなかった。惜しまれる敗戦といえる。しかし、この相手にこの内容の試合ができたことはポジティブにとらえるべきだ。初戦敗戦は痛いが、次節以降に期待したい。

翌24日はG組のG大阪とH組の浦和が登場。G大阪はアウェーで水原三星(韓国)と、そして浦和はホームでシドニーFCと対戦した。

G大阪は4日前のゼロックス・スーパーカップで機能しなかった「パトリック―アデミウソン」の2トップを取りやめ、アデミウソンをベンチに置いて攻撃陣を昨年の布陣に戻した。そして大黒柱のMF遠藤をベンチに置きながら互角の攻め合いをみせた。

水原と引き分け、タッチを交わすG大阪イレブン=共同

氷点下4度という寒さだったが、最後まで予断を許さない展開。アウェーで得た勝ち点1は、最後に効いてくるのではないだろうか。

G組のもう1試合は豪州チャンピオンのメルボルン・ビクトリーがアサモア・ギャン(ガーナ代表)、エウケソン(ブラジル代表)、コンカ(アルゼンチンU-20代表)という強力な攻撃陣を誇る上海上港(中国)を2-1で下した。

浦和は攻守の要となるMF柏木のコンディションが万全ではなく、キャプテンの阿部と並ぶボランチには青木が起用された。

日本、韓国、中国の東アジア勢はシーズンの開幕が2月末~3月だが、豪州は年をまたぐシーズンが採用されており、いまがシーズンの半ば。シドニーは「試合勘」では東アジア勢よりはるかにいいはずだったが、立ち上がりから浦和が圧倒した。

速いテンポのパスワークで両サイドをえぐり、ボールを失うと即座に守備に切り替えて奪い返し、二次攻撃をかける……。ペトロビッチ監督が目指す今季の浦和の片りんが見えた。そして8分に早くもMF武藤が決めて先制する。

その後、浦和はDFラインから前線への展開が遅くなり、DF間のパスが不安定になって危ない時間もあったが、後半に入ると落ち着き、65分に得たPKをFW興梠が決めて2-0と突き放した。

浦和は立ち上がりからシドニーFCを圧倒、前半に武藤が先制ゴールを決めた=共同

力あるところを示したJの4クラブ

かつて広島でプレーし、仙台で指揮をとったこともあるシドニーのアーノルド監督は「互角のチャンスがあった試合」と評したが、内容でも圧倒的に浦和のゲームで、もう少し攻撃のテンポが上がっていれば3点差、4点差がついてもおかしくない試合だった。

H組のもう1試合では、昨年のチャンピオンである広州恒大(中国)が浦項スティーラーズ(韓国)と0-0で引き分けた。

第2節、FC東京は3月1日にホームでビンズオンと対戦、広島は同日にアウェーでFCソウルと対戦する。そしてG大阪は翌2日にホームでメルボルンと、浦和は同日にアウェーで浦項と対戦する。

その前に各チームにはJリーグの第1節がある。基本日程は2月27日で、FC東京はホームの大宮戦、広島はホームの川崎戦、そして浦和はアウェーの柏戦。G大阪は翌28日にホームで鹿島と対戦する。

ゼロックス・スーパーカップに出場した広島とG大阪は「4連戦」、FC東京と浦和も「3連戦」となる。非常に厳しい日程だが、4チームともオフの補強で選手層の大幅アップに成功しており、少しずつ入れ替えをしながらフレッシュなメンバーで戦うことができるだろう。

昨年と同様、第1節の試合結果は良かったとはいえない。しかしJリーグの4クラブは、試合内容においてはいずれも力のあるところを示した。あとは「勝ち点3」に執着する姿勢をどこまで貫けるかにかかっている。3月はじめの第2節の試合が、グループステージ突破の重要な岐路になりそうだ。

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