AT&Tとインテル、ドローン飛行に携帯回線を利用

2016/2/26 6:30
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VentureBeat

米通信大手のAT&Tは米半導体メーカーのインテルと提携し、高速通信サービス「LTE」に接続した小型無人機「ドローン」が目で確認できない範囲へ飛んで行ったり、高度がさらに上昇したり、外部から妨害されたりした場合の性能をテストし、最適化する。

■地上の通信網を転用

AT&Tとインテルが共同でモバイル回線を使ったドローンのデータ転送をテストした(C)AT&T

AT&Tとインテルが共同でモバイル回線を使ったドローンのデータ転送をテストした(C)AT&T

インテルは今週、スペインのバルセロナで開催されている通信関連展示会「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」でLTE対応のドローンを実演している。今回の提携の狙いは、地上での(スマートフォン<スマホ>などの)機器接続のために設計されているネットワークが、ドローンにも転用可能だと示すことにある。

多くのドローンはスマホ経由でネットワークに接続し、機体に搭載したカメラで飛行中の眺望をリアルタイムに伝える。つまり、ドローンの制御に必要な他のセンサーも含め、常にネットワークに接続されていなければならない。インテルがAT&Tの「IoT(モノのインターネット化)」チームや研究部門「AT&Tファウンドリー」と提携し、ドローンがLTE回線でどれほど機能を発揮できるかを調べるのはこのためだ。

この数年でドローン人気が爆発的に高まったことを受け、安全性についての懸念が高まり、規制の策定を巡って問題が生じている。これは両社が対処したいと考えている分野の一つだ。スマホとドローンの間の信号が航空機などの有人機を妨害する可能性について調べたり、米連邦航空局(FAA)が検討中の「目に見える範囲以外」での使い勝手や機能について調査したりする。

今回の提携は消費者が公道付近でドローンを趣味で操縦するためというより、まっとうなビジネスでの利用を想定している点に注目すべきだ。米アマゾン・ドット・コムなどは現在「ドローンによる配送」について検討している一方、それ以外にも様々な業界でドローンを次の段階に進める使い方がある。

AT&TのIoT部門のクリス・ペンローズ上級副社長は「AT&Tとインテルは、このネットワークでドローンの最もワクワクするような商業利用をどう実現できるかを調べる」と声明で表明。「われわれのLTEネットワークは配送や農業、建設、保険などの業界をつなぐユニークな位置付けにある。このネットワークを活用し、大事な情報や画像、映像を近距離の接続では到底届かない場所に素早く効果的に転送している」と強調した。

機体に搭載したカメラの映像を操縦者のスマホに伝える(C)AT&T

機体に搭載したカメラの映像を操縦者のスマホに伝える(C)AT&T

■IoT市場を開拓

通信業界全体でIoTの活用が進んでいるため、今回の動きはAT&Tにとって意味がある。インテルもこのところ、ドローンの分野に積極的に進出している。最近では衝突を回避する技術を専門とするドローンメーカー、アセンディング・テクノロジーズを買収した。

インテルのニューテクノロジー部門の副社長、アニル・ナンドゥリ氏は「点検やIT(情報技術)を活用した精密農業から、消費財の配送や緊急災害支援の提供に至るまで、ドローンには大きな可能性があるとインテルは確信している」と表明。「われわれは他社との協力を通じ、新たな技術や計算をドローンに組み込むことで、この市場を成長させたいと考えている」と話した。

By Paul Sawers

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャー・ビート」から転載)

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