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五輪のゴルフ出場資格、苦肉の策が生んだ複雑さ
公益財団法人ゴルフ協会専務理事 山中博史

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2016/2/20 6:30
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8月に開幕するリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した競技・種目のニュースが、メディアをにぎわすようになりました。ご存じの通りゴルフも112年ぶりに五輪競技になります。

現在、日本の男子では松山がリオ五輪代表候補の1番手=共同

現在、日本の男子では松山がリオ五輪代表候補の1番手=共同

通常、五輪は「世界ナンバーワンのアスリートを決める大会」と位置づけられています。しかしゴルフでは一部選手やファン、メディアから「五輪の価値がいまひとつわからない」「ゴルフの頂点を決めるのならすでに四大メジャー大会があるではないか」という声も聞かれます。その原因の一つとして「出場資格の基準がわかりにくい」ことが影響しているのは否めません。なぜ「ゴルフの出場資格はわかりにくいのか」、いや「わかりにくくなってしまったのか」の舞台裏をお話しようと思います。

世界66位の片山、五輪ランクは31位

リオ五輪のゴルフの出場資格は次の通りです。

(1)出場選手は男女とも60人。4日間合計72ホールのストロークプレーの個人戦で予選落ちはない。

(2)各国代表の出場選手は7月11日時点のワールドランキング(WR)に基づいて作られるオリンピックランキング(OR)で決定する。

(3)原則1カ国2人までだが、WRの15位以内であれば最大4人まで出場できる。

(4)5大陸(アフリカ、アメリカ、アジア、欧州、オセアニア)で、男女とも最低1人の出場枠を確保する。

(5)ブラジルは開催国として最低1枠を保有する。

例えば2月14日付の男子WRは表1の通りです。これに基づいた男子のORが表2です。

(表1)男子世界ゴルフランク=14日付
順位選手
1ジョーダン・スピース(米国)
2ジェーソン・デー(オーストラリア)
3ロリー・マキロイ(英国)
4リッキー・ファウラー(米国)
5ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)
6バッバ・ワトソン(米国)
7ジャスティン・ローズ(英国)
8ダスティン・ジョンソン(米国)
9パトリック・リード(米国)
10ブランデン・グレース(南アフリカ)
11ジム・フューリク(米国)
12松山英樹
18セルヒオ・ガルシア(スペイン)
19アダム・スコット(オーストラリア)
60ラファエル・カブレラ・ベロ(スペイン)
66片山晋呉
88池田勇太
91岩田寛

(表2)男子五輪ランク=16日現在
順位選手
1ジョーダン・スピース(米国)
2ジェーソン・デー(オーストラリア)
3ロリー・マキロイ(英国)
4リッキー・ファウラー(米国)
5ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)
6バッバ・ワトソン(米国)
7ジャスティン・ローズ(英国)
8ダスティン・ジョンソン(米国)
9ブランデン・グレース(南アフリカ)
10松山英樹
11ダニー・ウィレット(英国)
12セルヒオ・ガルシア(スペイン)
13アダム・スコット(オーストラリア)
14ルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)
15シェーン・ローリー(アイルランド)
16安秉勲(韓国)
30ラファエル・カブレラ・ベロ(スペイン)
31片山晋呉

上位8位まではWRとORは同じ顔ぶれですが、WR9位はパトリック・リード(米国)なのに、ORの9位はブランデン・グレース(南アフリカ)となっています。これは米国の選手枠がジョーダン・スピース(1位)、リッキー・ファウラー(4位)、バッバ・ワトソン(6位)、ダスティン・ジョンソン(8位)で、すでに出場資格3が定める「最大4人まで」になってしまっているからです。このため9位のリード以下の米国選手は除外され、WR10位のグレースが繰り上がっているのです。

オーストラリアの場合はジェーソン・デーがWRの2位にいますが、19位のアダム・スコットと合わせて「1カ国2人」の枠が埋まります。それ以降も、すでに出場選手枠を満たした国の選手を順番に除外して、それより下にいるWRの選手を繰り上げてORは構成されています。したがって、OR12位にはWR18位のセルヒオ・ガルシアが入り、WR60位ながらOR30位のラファエル・カブレラ・ベロと2人でスペイン代表となるわけです。

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