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「保険」は、世の中をよくできるか。

 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」をスタートさせました。今期のシリーズのテーマは「革新力」です。日本経済新聞の紙面と電子版を通じて経営者と読者が双方向で対話し、アイデアの実現可能性を探ります。企業のモノ作りは、サービスは、金融は世の中をよくできるのか。革新的なアイデアをお寄せください。

最先端の技術を発展させるには? 
学生の提案 柄沢康喜・三井住友海上火災保険社長編

(3/4ページ)
2016/2/22 3:30
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■幼児教育で失敗を許容すべし

鈴木 悠人(東京大学大学院工学系研究科修士課程1年、23歳)

最先端の技術を発展させるには幼児教育で失敗を許容し、チャレンジ精神を育むことが必要だ。幼児期の教育が与える影響は大きいため、幼児期にチャレンジすることはよいことで面白いことだと感じることができれば、日本全体にチャレンジ精神が浸透し、それが技術の発展につながると考える。なぜチャレンジ精神が技術の発展につながるかといえば、未知の技術を生み出すには仮説を立て失敗を繰り返すことが必要であり、それを乗り越えるためにチャレンジを続けることが欠かせないからだ。成功=挑戦の数×成功率とおくことができるが、技術革新は不確定要素が多く成功率の向上が難しいと考える。そこで、日本人のチャレンジ精神を育み、より多くの人が挑戦するようになれば技術革新につながるのではないか。

■創造するための想像

松本 健太郎(慶応義塾大学商学部4年、22歳)

最も大切なことは、想像を膨らませることではないか。何かを創ろうと思ったとき、まずはそれを想像できなければ形にすることはできない。いい例は映画だ。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で描かれたもので、実際に形になったものがある。地面から浮くスケートボードのホバーボードやゴミを燃料として動く車などである。映画の中で想像されたものが実際に創造されるという例は数えきれない。裏返せば、映画の世界で想像されていなければ、今もホバーボードやバイオ燃料は存在しなかったかもしれない。したがって、「こんなものがあったらいいな」と想像を膨らませることで、実際にそれを形にしようと新たな技術の壁に挑戦する技術者がいる。このことが、最先端の技術を発展させていくために大事なことであると考える。

■クラウドファンディングの普及

菅 諒馬(海陽学園海陽中等教育学校高校2年、17歳)

最先端技術を発展させる際、一番の障害になるのは資金不足だ。今の日本で、銀行からお金を借りようとすると若者にとって担保や保証人の必要性が障害になる。これを打破するために「クラウドファンディング」の普及が重要だ。不特定多数の人がインターネットを介して、自分が賛同する事業に出資して資金を調達する方法だ。米国と比べ日本ではまだ浸透していない。出資したはいいが、資金を持ち逃げしたり、事業が成り立たずにリターンを分配できないような事態が懸念されていることが大きい。このリスクを払拭するために法整備を進めたり、会社ごとの基準ではなく、国が音頭をとって出資者に対する保険をつくってはどうだろう。新規プロジェクトが増加し、最先端技術の発展につながると考える。

■大手とベンチャーの提携

伊藤 理菜(早稲田大学国際教養学部4年、21歳)

日本企業は外資系の企業に比べて、新規ビジネスへ乗り出すスピードが遅い傾向があるように思う。新規事業を通すためにいくつもの部署を通さなければならない、という組織のピラミッド構造があり、イノベーションをそもそも生み出しにくい面がある。特に大企業ほど、そうした傾向に陥りやすいようだ。

そうした中でもソニーやトヨタ自動車は、最先端技術を導入するためにベンチャー企業と積極的に組んでいる。資金力などを必要とするベンチャー企業と、新規事業に取り組むスピードが遅くなりがちな大企業は提携することで互いにメリットが生まれるのだ。例えばソニーはベンチャー支援企業と組み、キュリオというスマートロックの会社を設立している。トヨタはプリファードインフラストラクチャーという会社と共同で人工知能(AI)を利用した自動運転の研究を行っている。このように大企業とベンチャー企業の提携は、日本企業が最先端技術に乗り出すために一つの有効な手段であろう。

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