乃木坂46 アイドル市場で右肩上がりの成長

2015年末、念願だった『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした乃木坂46。ブームが落ち着きつつあるアイドルシーンにおいて、右肩上がりの成長が続く。
11年8月の結成後、翌年2月22日にメジャーデビュー。シングルの売上枚数の推移を見ると、大きく伸びた時期が2度訪れている。
1度目は、13年7月の『ガールズルール』の発売時。センターがそれまで5作連続で務めてきた生駒里奈から白石麻衣にスイッチし、曲調も乃木坂46としては珍しく、夏らしい明るい曲となった。
このときの伸びは、イメージチェンジにより新たなファン層を開拓したほか、センター交代のニュース性の高さなどが功を奏したのが理由と考えられる。また前作が、現時点でもグループの代表曲と言える『君の名は希望』で、この曲への評価の高さが、次作の好セールスへつながったと見られる。

この時期、ライブの会場規模も一気に拡大した。13年8月の「真夏の全国ツアー2013」では、定員が2000人前後である全国5カ所のZeppを回ったが、10月6日の追加公演は、代々木第一体育館で開催。昼夜2回の公演で計2万4000人を動員した。
また15年も成長の1年となった。10月28日に発売した最新シングル『今、話したい誰かがいる』の初週売上枚数は、過去最高の62.7万枚を記録。15年では、最大で167.3万枚を売り上げたAKB48(『僕たちは戦わない』)とSKE48の64.0万枚(『コケティッシュ渋滞中』)に次ぐ数字となった。
ライブ会場の規模を見ても、2月22日に西武ドームに開催した『乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE』に3万8000人を動員。ワンマンライブとしては、ももいろクローバーZが8月1日に開催した静岡・エコパスタジアム公演の約4万7000人と、松井玲奈の卒業公演として豊田スタジアムに4万5000人を集めたSKE48に迫る集客を達成した。
『紅白』への出演をステップにし、このまま順調に伸びれば、16年はアイドルシーンのトップに躍り出ることも十分に期待できそうだ。

(日経エンタテインメント! 上原太郎)
[日経エンタテインメント! 2016年2月号の記事を再構成]
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