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[FT]500ユーロ紙幣廃止、時間の問題 独では不評

Financial Times

国際テロリスト、マネーロンダリング(資金洗浄)をする犯罪組織、そしてドイツで車を買う人たちも、欧州中央銀行(ECB)が500ユーロ紙幣の廃止に向けて動き出したからには、お札の使い方を考え直さなければならないだろう。

紫色の500ユーロ紙幣は、実物を目にしたことのない欧州市民も多く、受け取ってくれる店も少ない。その500ユーロ紙幣が、パリ同時テロ後に浮上したテロ資金をどう断ち切るかという懸案との関係から、欧州連合(EU)内の議論で大きく取り沙汰されている。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)のロブ・ウェインライト長官が高額紙幣を犯罪組織とテロ組織の「指定通貨」と呼ぶ一方で、政策立案者たちは500ユーロ紙幣の多くがユーロ圏でなくロシアに流れていると不満を漏らす。

犯罪利用に「強まる確信」、ドラギ総裁

ECBのドラギ総裁は15日、ブリュッセルの欧州議会で、500ユーロ紙幣が犯罪目的で使用されているという「強まる確信」があると述べ、500ユーロ紙幣の廃止が時間の問題であることをこれまでにも増してはっきり示した。

フランスのサパン財政相は先週、質問に答えて、500ユーロ紙幣は「物を買うよりも活動を隠すため、あなたや私のような人々がちょっと食事をするよりも不正な活動をはかどらせるために多く使われている」と語った。

ユーロ圏の財務相は先週、ユーロ紙幣に関する見直しを求めたが、500ユーロ紙幣に関する決定はECBに委ねられている。ドラギ氏は廃止を発表するには至らなかったが、関係者によると、すでに非公式な決定は下されている。

500ユーロ紙幣の廃止は、大きな買い物に高額紙幣を使う慣習があるドイツでは不評を買うだろう。

ユーロポールが昨年公表した調査結果によると、小売店が500ユーロ紙幣の受け取りを拒むことも少なくない。しかし、市中に流通するユーロ紙幣の総額の3分の1を500ユーロ紙幣が占めている。

ユーロポールの調査結果はルクセンブルクの事例を強調している。ルクセンブルクでは2013年、国内総生産(GDP)の約2倍に相当する875億ユーロ分の紙幣が発行されたが、ユーロ圏で最も「現金嫌い」の傾向が強い国の一つでありながら発行紙幣の「かなりの部分」を高額紙幣が占めた。

事態は複雑になっており、ドイツでは国内最大の発行部数を誇るビルト紙が、現金取引に限度額を設ける案に反対し、ショイブレ財務相を標的にした「我々の現金に手を出すな」のキャンペーンを開始した。

By Jim Brunsden & James Shotter

(2016年2月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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