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円、一時110円台 ヘッジファンドが円買い攻勢

春節、東京市場休場で取引の薄い日を狙い、ヘッジファンドが円買い攻勢を仕掛けてきた。さらに、欧州時間に入っても円買いモメンタム(勢い)に歯止めがかからない。

きっかけは10日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言。特に、中国・人民元リスクに具体的に言及しつつ、外部要因について長めに語ったことで、3月利上げ観測が、ほぼ消えた。利上げに慎重なニュアンスを打ち出していたフィッシャー副議長、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁を追認する形となっている。

外為市場では、「米利上げ=ドル高」のシナリオが崩れ、特にヘッジファンドを中心に、新たな円買いポジションを増やす動きが加速している。さらに、トレンドフォローで超短期売買を行うCTA(商品投資顧問)が、円高のモメンタムに乗ってきた。

2014年10月の、いわゆる「ハロウィーン緩和」のときに、110円近辺から一気に115円前後まで跳ねているので、そこが真空地帯になっていた。今回は、その空白の価格帯を「埋めに来る」動きだ。

なお、現在の円高は2層構造になっている。

まず、米国経済の景気後退懸念により米利上げ観測も後退して、ドル金利が低下。マイナス金利の導入を決めた円との金利差が拡大せず、縮小していること。

次に、欧州銀行不安、原油安、中国経済不安のトリプル懸念が共振して、比較的安全とされる円にマネーが逃避していること。

その結果、日銀のマイナス金利導入決定による円安効果も吹っ飛んだ。円相場115円、日経平均1万6000円はアベノミクスの防衛線であったが、それが崩れてしまった。あすの日経平均は1万5000円の攻防となる可能性がある。

さらに、春節明けの来週、上海市場での展開も気になるところだ。激動の1週間、春節で休場の上海株式市場には、潜在的な売りエネルギーが充満しているとみられる。中国人民銀行が人民元の基準値をどの水準に設定してくるかも注目される。

アベノミクス相場はまさに正念場を迎えた。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。11年9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。
 1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく、独立系の立場からポジショントーク無しで、金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。
ブログは「豊島逸夫の手帖」http://gold.mmc.co.jp/toshima_t/index.html
ツイッター(http://twitter.com/#!/jefftoshima)ではリアルタイムのマーケット情報に加えスキー、食べ物など趣味の呟きも。日経マネーでは「現場発国際経済の見方」を連載中。日本経済新聞出版社や日経BP社から著書出版。業務窓口は jefftoshima@hyper.ocn.ne.jp
 日経電子版マネーに掲載している「豊島逸夫の金のつぶやき」は、2月中旬の「NIKKEI STYLE」新設に伴い日経電子版マーケットに移動します。最新記事や過去に掲載した記事はマーケットセクションでご覧ください。「Myニュース」機能のフォローは自動的に引き継がれます。

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