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渡辺、米大学バスケで奮戦 近づく日本男子初の快挙
スポーツライター 杉浦大介

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2016/2/10 6:30
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バスケットボール男子の全米大学体育協会(NCAA)1部に属するジョージ・ワシントン大学で、渡辺雄太が活躍を続けている。2年生となった今季は全試合にスタメン出場。チームも開幕6連勝の好スタートを切り、3月に開幕するNCAAトーナメント出場に向けて好位置につけている。21歳の渡辺は、日本人男子選手として初めて、全米で盛り上がる通称「マーチマッドネス(3月の熱狂)」の舞台に立てるだろうか。

2年生となった今季、全試合にスタメン出場して活躍する渡辺=GW Athletics提供

2年生となった今季、全試合にスタメン出場して活躍する渡辺=GW Athletics提供

たくましさ増し、3戦連続2桁得点

「コーチにはずっとタフになれ、タフになれと言われていて、ここにきてそのタフさがようやく身についてきたかな……」

2月3日に行われたデビッドソン大戦で13得点、6リバウンドを挙げて79-69での勝利に貢献したあと、普段は謙虚な渡辺が顔をほころばせた。この時点でジョージ・ワシントン大は今季17勝目。シーズンの勝負どころに差しかかったチームに、先発SG(シューティングガード)として貢献できたという思いはあったに違いない。

全国高校選抜優勝大会で2年連続準優勝した香川・尽誠学園高の主力だった渡辺は、高校卒業後の2013年春に渡米。プレップスクールを経て、米首都ワシントンに本拠を置く通称「GW」に入学し、1年生だった昨季途中から先発入りを果たした。

今季は1試合平均26.6分の出場で8.2得点、4.0リバウンド。数字だけをとれば、特筆すべきではないようにみえるかもしれない。だが、一昨年にはNCAAトーナメントに進出したミッドメジャー(有力カンファレンスに属していない大学)強豪校の一員としての成績だけに価値はある。

才能は日本人としては飛び抜けていても、米国ではフィジカルの強さ、パワーで見劣りする。そんな中で試行錯誤を繰り返していたためか、今季中盤には4試合続けて5得点以下と不振に陥った時期もあった。しかし、デビッドソン大戦まで3試合連続で2桁得点と上昇気配。米国でもまれることでたくましさを増し、守備、リバウンドなど、得点以外でも貢献できる術を見つけられたことは収穫といってよい。

「12月末から1月初めにはオフェンス面ですごく苦しんで、悩むなどした。ただ、そこで落ち込んでばかりはいられなかったので、オフェンスがだめな日でも、ディフェンスはしっかりやろうと。それができていることが、点の取れない日でもプレー時間が延びている理由だと思っています」

NCAAトーナメント出場を目標に

活躍を通じて渡辺の知名度も徐々に上がり、1年生だった昨季中にはワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズといった大手紙にも特集を組まれた。身長203センチの左利きフォワードは、日本人4人目の1部プレーヤーとして、ここまで確かな足跡を残してきたといってよい。

その渡辺とジョージ・ワシントン大が今季の目標に掲げるのが、3~4月に全米を舞台に行われるNCAAトーナメントへの出場だ。

ファン以外も巻き込んで尋常ではない熱狂ぶりを見せることから、「マーチマッドネス」と呼ばれる同トーナメント。出場68校の中から準決勝に残った4校は「ファイナルフォー」と呼ばれ、準決勝、決勝はスタジアム級の大会場で開催される。

米プロフットボール、NFLのスタジアムで行われた過去2年の決勝には、7万人以上の観客が集まったことからもその人気ぶりが伝わるはずだ。日本の高校野球の甲子園大会に例えられるビッグイベント。大統領が公に優勝予想を展開するほどなのだから、熱気の度合いはマーチマッドネスが甲子園より一段上かもしれない。

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