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企業のパラスポーツ支援、まず社内ファンづくりから

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2016/2/10 6:30
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2020年東京五輪・パラリンピック開催が決まって以降、障害者(パラ)スポーツへの企業の支援が活発になっている。競技団体や大会のスポンサーになったり、選手を競技生活優先のアスリート雇用で社員にしたり。また、障害者スポーツの統括団体「日本障がい者スポーツ協会(日障協)」の人材が足りず、猫の手も借りたい状況なのを聞いて、出向の形で社員を派遣する企業も増えている。舛添要一・東京都知事が「パラリンピックの成功なくして東京五輪の成功はない」と力説していることもあってか、パラへパラへと企業もなびいているような印象を受ける。

選手の雇用に関しては、アスリート雇用を希望する選手と企業をマッチングする日本オリンピック委員会(JOC)の「アスナビ」事業で、昨年12月までに10人のパラアスリートの就職が決定。14年8月から15年末までに企業から問い合わせがあったのが122件で、うち約4分の1の34件はパラアスリートの採用希望だったというから、企業の熱い視線は本物だろう。

アスナビで乃村工芸社に転職したパラ・パワーリフティング選手の西崎

アスナビで乃村工芸社に転職したパラ・パワーリフティング選手の西崎

パラアスリート、働き手でも活躍可能

大きな企業には障害者を社員数の一定割合雇わないといけない法定雇用率(現在2.0%)を守る義務があり、それを満たすために目を向けている面があるのは間違いない。雇用が社会貢献になってイメージアップにもつながる。また、多様な人材を入れることで社内が活性化し、イノベーションを生んだり、職場の雰囲気づくりに役立ったりする利点もあるのだろう。はやりの「ダイバーシティー経営」である。

日障協の高橋秀文常務理事は、企業の働き手としてもパラアスリートは活躍できると力説する。高橋常務理事の見るパラアスリートの特性は(1)自ら目標を作ってPDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを回し、物を考える力がある(2)障害のような挫折を負っても前へ進む力がある(3)いろんな人に支えられて競技を続けているので、チームで働く力がある――といったものだ。同常務理事は「パラリンピック開催をチャンスとして、どういう社会をつくっていくか、ぜひ企業のみなさんの力を借りたい」と話す。

東京パラリンピックばかりが強調されるがゆえ、パラリンピック競技以外のパラスポーツや冬季競技への関心が薄いこと、同じパラでも東京大会で活躍する可能性がある若い選手だと採用されやすいこと、といったひずみは出ている。20年以降も継続して支援してもらえるのか、という不安の声も競技団体からはある。それでも、これまで企業にほとんど見向きもされなかったパラスポーツに光があたるのは意味があることだろう。

全日本パラ・パワーリフティング選手権で1回目の試技をする西崎(1月10日)

全日本パラ・パワーリフティング選手権で1回目の試技をする西崎(1月10日)

その上で企業側に求めたいのは、パラスポーツのファンづくりにも一役買ってほしいということだ。単に、パラリンピアンを雇いました、選手は競技生活に専念して会社へは月1度の報告だけでいいです、その結果パラリンピックで活躍してメダルをとり、所属先として弊社の名前がたくさん報道されました、めでたしめでたし、でいいのだろうか。1月19日、東京都内であったアスナビ事業の、企業とパラアスリートとの交流会で披露された乃村工芸社の事例が、その意味で示唆的だったので紹介したい。

社員と接触少なく、お客様扱いの感じ

デパートやショッピングセンター、ショールームでのディスプレーなど空間作りを業務とする同社が、パラ・パワーリフティング選手の西崎哲男(38)をアスリート雇用したのは14年11月のこと。当時同社の障害者雇用率はわずか1.48%で、障害者の社員増が喫緊の課題だった。情報を探しているうちにアスナビのホームページ(HP)にたどりつき、仲介をお願いしたという。

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