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フィギュア、卓球にみるマイナー競技からの脱出法
編集委員 北川和徳

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2016/2/5 6:30
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2020年東京五輪で最も盛り上がって楽しめそうな競技は何だろう。個人的には卓球を推している。ほぼ金メダル独占状態にある中国の牙城を、日本勢が地元大会で崩せるのか。その舞台で戦う日本の代表選手たちの幼いころからの成長の過程をずっと知っていることが、いっそう応援の熱を高めてくれそうだ。

天才小学生と話題を集めた平野(左)と伊藤も今では15歳。ともに世界ランキング10位台に躍進した=共同

天才小学生と話題を集めた平野(左)と伊藤も今では15歳。ともに世界ランキング10位台に躍進した=共同

福原以来、卓球界は天才ラッシュ

卓球の全日本選手権。大会前半戦の見どころは毎年、年上の相手を倒す小学生の活躍だ。今年も男子で小学6年生の張本智和(仙台ジュニアク)が4回戦まで進出した。数年前に天才小学生と話題を集めた女子の平野美宇(エリートアカデミー)と伊藤美誠(スターツ)は今では15歳となり、ともに世界ランキング10位台に躍進。今年はその2人が準決勝で直接対決し、平野がランキング上位でリオデジャネイロ五輪代表に決まっている伊藤を破った。その平野を決勝で下して3連覇を達成した石川佳純(22、全農)も、小学生の頃にこの大会で高校生と大学生を破って注目された。

卓球界の天才ラッシュの皮切りは、やっぱり元祖「天才卓球少女」の福原愛(27、ANA)だろう。テレビのバラエティー番組で見ていた泣き虫の女の子が、04年に15歳でアテネ五輪に出場、4回戦まで進んだ時は不思議な気持ちになったものだ。福原の成功は、3歳からの徹底した英才教育と本人の資質と努力、それに加えて家族や支援企業、学校など周囲が試行錯誤をしながら競技環境を整えた末にもたらされた。今、彼女に続く天才たちには、それほど未踏の道を歩まなくても世界へのレールが敷かれている。

元祖「天才卓球少女」の福原は、家族や学校など周囲が試行錯誤しながら競技環境を整えた=共同

元祖「天才卓球少女」の福原は、家族や学校など周囲が試行錯誤しながら競技環境を整えた=共同

日本卓球協会は01年秋、小学生の全国大会で活躍した子どもたち男女計24人とその指導者を集めて初めての研修合宿を開始。続いて、そこから選抜した12歳以下の小学生世代の日本代表「ホープス・ナショナルチーム」を結成した。天才をいち早く見つけて、最高の環境を用意して世界レベルに育て上げるシステムの確立を目指したのだ。今年の日本選手権で通算8度目の優勝を飾った男子の第一人者、水谷隼(26、ビーコン・ラボ)はその第1期生。水谷だけでなく、石川も伊藤も平野も、現在の世界ランク上位に顔を出す日本選手のほとんどが、ここから代表歴をスタートしている。

「偏った指導では大きく育たない」

卓球は1980年代前半に小学生以下の全国大会が整備された。小学2年生以下(バンビ)、同4年生以下(カブ)、同6年生以下(ホープス)で日本一が決まる。ちなみに、福原は小学校入学前から6年生まで7年間勝ち続けた女子で唯一の存在だ。だが、そうした逸材の指導もホープス代表の誕生までは所属クラブや両親、学校の指導者まかせだった。結果として、90年代の福原の登場以前では、幼い頃に輝いた才能が日本代表にまで成長するケースはわずかしかなかった。

ホープス代表の結成に尽力した卓球協会の前原正浩専務理事は「才能あふれる子供がいても、偏った誤った指導を受けると大きくは育たない」と話す。弱点があると世界とは戦えないが、幼い頃に身につけたプレーの基本動作は、大人になってからでは変えられない。

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