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クイックVote解説 甘利氏辞任、「当然」「不要」が拮抗

第257回解説 編集委員 木村恭子

甘利明・前経済財政・再生相が金銭授受問題で閣僚を「辞めたのは当然だ」とする電子版の読者は52.2%だったのに対し、「辞める必要はなかった」も47.8%に上り、回答を寄せてくださった皆さんの意見は真っ二つに分かれました。

「辞めたのは当然だ」と答えた読者のコメントでは、「『政治家の矜持(きょうじ)』というならば,議員もやめるべきだ」(46歳、男性)と厳しい意見がある一方、「当然というよりやむを得ないという感じだ」(55歳、男性)などと、消極的「当然」派も相当の数に上りました。

TPP交渉の行方に不安の声も

さらに、「迅速に決断したのは甘利氏の将来を考えれば良かったと思う」(68歳、男性)と、早期辞任が甘利氏のダメージを最小限に抑える手段だとポジティブにとらえる意見や、甘利氏が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を担当した重要閣僚だっただけに「成果を出しているので辞任そのものは残念だ」(26歳、男性)と、惜しむ声もありました。

むしろ「大臣の首を取って喜んでいる低レベルの政党に困惑している。政策論争ができる国会に早くしてほしい」(71歳、男性)と批判の矛先が野党に向かっている読者もちらほら。

また、「このような贈収賄的な行為を積極的に証拠に残す業者の行動には違和感がある」(38歳、男性)として、甘利氏側に金銭などを送ったとされる建設会社をいぶかるコメントも少なくありませんでした。

一方、「辞める必要はなかった」とする読者からは「現時点で本人に法的な問題はない」(43歳、男性)、「責任を取ることは必ずしも辞めることではない。事実関係の解明が不十分な状況で責任論が先行するのはおかしい」(46歳、男性)とする意見が目立ちました。

甘利氏は、建設会社の関係者から金銭授受などの接待を多数回にわたり受けていた秘書の監督責任から閣僚を辞めました。甘利氏本人も建設会社の関係者から50万円の現金を2回、受け取ったことを認めましたが、政治資金収支報告書に記載していると説明しています。

読者は「大臣は日本のために働くことが仕事。TPPをまとめた人材は国のために使うほうが大事で、今回は秘書の辞任で済む」(53歳、男性)として、TPP交渉を成功に導いた甘利氏の政治手腕を高く評価し、「今、辞めさせる必要があったのか?」(47歳、男性)と早期辞職を残念に思う声もありました。

そして、甘利氏の今後については「大臣を辞任しても現政権の力になってほしいと思う」(55歳、男性)と期待を寄せています。

回答者の内訳
回答総数2962
男性94%
女性6%
20代3%
30代8%
40代16%
50代22%
60代35%
70代14%
80代以上2%

「政治とカネ」をめぐる問題は、発覚するたびに国会では規制を強めてきていますが、なかなかなくなりません。

読者からも「追及する側の野党議員にもたくさんの疑惑があるのも事実。抜本的な政治資金の改革が必要」(51歳、男性)との意見が寄せられています。

再発防止は「口座への送金などに限定」がトップ

政治とカネの問題の再発防止にあたり、必要な対応をお聞きしたところ、「現金の授受を禁止し、銀行口座への送金などに限定」が35.8%でトップでした。

「透明性が増す」(48歳、男性)ことを理由に挙げた読者がほとんどで、中には「法律の中で献金を受けること自体を否定する風潮はおかしい。政治には活動資金が必要でボランティアではない。民主主義のコストを誰が払うのか我々国民も意識する必要がある」(38歳、男性)と、献金を積極的に是とする声もありました。

また透明性を担保する制度として「マイナンバーで献金の見える化を」(53歳、男性)と、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を献金にも活用する提案も。この読者は、甘利氏がマイナンバーカードを説明する際に、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のヒット曲「私以外私じゃないの」の歌詞を一部替え歌にして「だからマイナンバーカード!」とPRに使ったことを思い出したのかもしれません。

次に多かったのは「企業・団体献金の全面禁止」(26.4%)でした。

この立場の読者は「個人からの献金に限定すべきだ」(75歳、女性)と、個人献金を認める声もありましたが、ほとんどは「間接的なものも含め、見返りを求めない献金は有り得ない」(50歳、男性)、「賄賂と政治献金の区分があいまいすぎる」(63歳、男性)、「中途半端にOKにするから良くない。100かゼロのいずれか」(45歳、女性)と、献金自体を否定する意見でした。

その上で「政治資金はすべて国庫で賄うべき」(74歳、男性)との解決策の提示も。ただ、政治資金に税金をつぎ込むことに対しては、「その他」(6.5%)と答えた読者(45歳、男性)から「支持しない政党にも税金が投入される。政党助成金は原資(=税金)を払う国民に選択権がない」として否定する意見があったことも紹介しておきます。

3番目に挙がったのは「収支報告書を有権者が監視しやすい仕組みの構築」(16.2%)でした。主だった意見は、「政治活動でお金がかかるのは理解できる。それであれば、収支を公開すべきである。それに記載していなかった場合の罰則を厳しくするのが望ましい」(65歳、男性)、「献金を禁止しても、そこに必要性があるなら、今回のような問題はなくならない。ならば収支を徹底的にみえるよう工夫すべきだ」(46歳、男性)など。

次に続く「政治家に秘書ら会計担当者と同等の責任を負わせる」(13.0%)を選んだ読者からのコメントは、「トップに結果責任がある」(85歳、女性)、「議員だとなぜ不始末を使用人の会計責任者に押し付けて免責できるのだろうか」(36歳、男性)と、政治家の監督責任を厳しくとらえる意見に集約されます。

「その他」と答えた読者では、「違法な寄付を仕掛けた者に対する厳罰」(52歳、男性)と、金銭を受け取る側だけでなく、渡す側の規制の強化を求める意見が散見されました。

そのほか「どういう方法をとっても抜け穴を探してくると言ったいたちごっこが続くんでしょうね」(65歳、男性)とあきらめたような感想もあるなかで、「そもそも当人である議員に政治改革をさせることには意味ない。議員以外で政治改革を議論しルールを作るべき」(65歳、男性)との要望がありました。

企業・団体献金の禁止、自民・野党で一致せず

確かに、甘利氏の辞任を受けて、民主党が企業・団体献金を禁止する法案を今国会に提出する意向を示し、他の野党も賛同している流れではありますが、自民党は慎重な姿勢を示すなど、なかなか一致をみません。

その上で、「選挙に金がかかりすぎる事が問題」(67歳、男性)と、選挙制度の抜本的な改革の必要性を指摘する声も少なくありませんでした。

「カネのありなしに関わらず、立候補できるシステムに変えるべき。すぐれた人が立候補できるように」(62歳、女性)

「政治家は本当に優秀で志ある人が目指す職業であってほしい」(41歳、男性)

今回ご協力いただいた読者の皆さんによる安倍内閣の支持率は70.0%でした。前回調査の57.5%よりも12.5ポイント増えました。

支持する読者からは甘利氏の辞任を受け「日本経済、今が踏ん張りどころだと思います。ここは安倍内閣で頑張ってもらわなくては!」(49歳、女性)と安倍内閣へのエールがありました。

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