欧州サッカーウォッチ(清水秀彦)

フォローする

一寸先は解任? 欧州の大クラブ、「名監督」使い回し

(1/3ページ)
2016/2/3 6:30
保存
共有
印刷
その他

欧州サッカーを代表するビッグクラブのチェルシー(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)で監督交代が続いた。チェルシーはモウリーニョを解任し、経験豊富なヒディンクを暫定監督とした。レアルはベニテスから元大スターのジダンにスイッチ。

バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)もグアルディオラ監督が今季限りで退任し、元レアル監督のアンチェロッティを迎えることが決まっている。グアルディオラは来季からマンチェスター・シティー(イングランド)の指揮を執る。少し格下のクラブに目を移すと、リバプール(イングランド)、ローマ(イタリア)でもシーズン中の監督交代があった。

いまや監督は完全な雇われの身。アーセナル(イングランド)のベンゲル監督のように、チーム編成も含めた全権を与えられている監督はほとんどいなくなった。フロントがビッグネームの選手を集め、監督は勝負の部分だけを請け負っている。

結果のみ求められ、負ければ戦犯扱い

サッカーが産業化し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)をはじめとしたタイトルを取るかどうかでクラブの実入りが大きく変わる。だから監督が求められるのは結果のみ。選手育成などは期待されていない。いいサッカー、きれいなサッカーもいらない。

問題は一番になれるかどうか。タイトル奪取に失敗すれば、すぐに解任の憂き目に遭う。結果として、名のある監督がビッグクラブをぐるぐる回る使い回し状態が起きている。

大きなクラブほどプライドの高い大物選手がそろっているから、束ねるのは簡単ではない。選手が監督に負けないくらいのパワーを持っている。最初のうちは実績のある監督がカリスマで抑えられるが、そのうち必ず不満が出てくる。

うまくいっているうちはいいが、勝てなくなると監督と選手の間のバランスが崩れる。そういう場合、戦犯扱いされるのは監督で、フロントもサポーターも選手側につく。結局、監督が切られ、選手が残る。

モウリーニョ監督はポルト(ポルトガル)監督時代の2003~04年に欧州CLを制覇し、名を上げた。チェルシーを率いるのは2度目で、1度目は1年目からプレミアリーグ連覇を果たしている。インテル・ミラノ(イタリア)では09~10年に欧州CLを含む3冠。レアルを3年率いた後、再びチェルシーの監督を務めていた。

通訳からスタートしたたたき上げの指導者だが、プロ選手としての実績がないことから劣等感に近いものを抱いているのかもしれない。自分は「スペシャルな存在」と発言するなど、虚勢を張っているようなところもある。

自分が選手の上に立っていることを強調し、「オレの言うことを聞いていれば勝てるんだ」というチームマネジメントをする。相手はプライドの高い選手ばかりなのだから、その気持ちをくんであげなければいけないのに、力でねじ伏せようとする。どこのクラブを率いても、いつもロープの上でバランスを取っているような状態で、そのバランスが崩れると真っ逆さまに落ちる。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップスポーツトップ

欧州サッカーウォッチ(清水秀彦) 一覧

フォローする
リバプールのエース、サラー(右)の負傷退場で試合の流れは決まった=ロイターロイター

 2017年シーズンのサッカー欧州チャンピオンズリーグ(CL)は、スペインのレアル・マドリードが決勝戦(5月26日、ウクライナ・キエフ)でリバプールを3―1で下し、幕を閉じた。レアルは大会3連覇。その …続き (2018/6/1)

 欧州の最強クラブを決める大会、チャンピオンズリーグ(CL)の4強が出そろった。準決勝のカードはイングランドのリバプールとイタリアのローマ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンとスペインのレアル・マドリード …続き (2018/4/23)

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)は1次リーグを終え、16強による決勝トーナメント1回戦(2018年2、3月)の組み合わせが決まった。いきなりレアル・マドリード(スペイン)とパリ・サンジェルマン(フラ …続き (2017/12/19)

ハイライト・スポーツ

[PR]